お電話でのお問合せはこちら
TEL:03-3443-4011

かんとこうブログ

2024.07.17

確報から計算した原料単価動向・・5月は値下がり優勢?

今月も経産省の確報(生産動態統計調査)から塗料の原材料に相当すると思われるものの単価を計算してみました。前回(4月)は値上がりが優勢で、全体の指数(2021年1月を100とした23品目の単価指数の平均値)も+9.1ポイントと価格上昇傾向でしたが、今回(5月)はその反動か、値下がりする品目が多く、全体の指数はマイナス4.9ポイントとなりました。

それでは順番に単価動向を示します。最初は樹脂材料です。

樹脂材料ではともにエポキシ樹脂の原料であるビスフェノールAとエピクロルヒドリンが相反する動きとなり、ビスフェノールAが大幅値下がりエピクロルヒドリンが大幅値上がりとなりました。続いて溶剤です。

小幅な値上がりがトルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、大幅値下がりがエチレングリコールエーテル、メチルイソブチルケトン、合成アルコールですが、いずれもかなり毎月の価格言動が大きい材料ですので、そうした動きの中での変動と思われます。続いて顔料です。

酸化亜鉛、酸化第二鉄、アゾ顔料が値上がり、フタロシアニン顔料、酸化チタン、カーボンブラックが値下がりとなりましたが、フタロシアニン顔料を除きいずれも長期的には値上がり傾向の中での動きと思われます。フタロシアニン顔料については、この半年ほど単価が乱高下していますので、しばらく様子をみないと今後の方向性がわかりません。最後は合成樹脂です。

合成樹脂は5月揃って大幅値下がりとなりましたが、前月が揃って大幅値上がりでしたのでその反動とも考えられます。いずれも長期的には価格上昇傾向であり、これが価格の転換点になるのかどうかは、今後注目です。

今回値動きの大きかったもの、具体的には前月から5%以上価格が変動したものについて、出荷数量と出荷金額の推移を示します。最初は5%以上価格が下がったものからです。

ビスフェノールAは長期的には出荷数量が減少する中で、5月も出荷数量、金額とも減少する中での価格低下だとわかります。エチレングリコールモノエチルエーテルも同様です。メチルイソブチルケトン、合成ブタノールは全体として出荷数量、金額とも増減はないものの毎月の変動はかなり大きいために価格が乱高下しているようです。

フタロシアニン顔料は出荷数量が減少傾向ですが、金額はこのところ増加傾向であり、従って単価は上昇傾向の中での今月の値動きです。前月から1000円/Kg以上低下するなど常識ではありえませんので、何か特別な事情があるものと思われます。合成樹脂については今回いずれも大幅価格ダウンとなりましたが、全体としはいずれも、出荷数量は減少傾向、金額は上昇傾向ですので、単価も上昇傾向の中でのスポット的な単価減少とみるべきと思います。

次の合成樹脂2品種についても同様です。

続いて前月から5%以上単価が上がったものです。

これらいずれも出荷数量が減少する中で、出荷金額の減少割合が少ないという材料ですが、酸化亜鉛と酸化第二鉄については、前月に比べて数量は減少、金額は上昇ですので当然単価はあがることになります。

最後に2021年1月を100とした各品目の5月の単価指数を低い順に並べてみました。23品目の単純平均は151.7で先月から4.9ポイントさがりました。

コメント

コメントフォーム

To top