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かんとこうブログ

2024.08.29

ひとりあたり建築塗料消費量も同じく「不都合な真実」状態?

昨日は塗料全体について、GDPと消費量の関係について調べたことをご紹介しました。そして国別にみると、ひとりあたり消費量は国によっ必ずしも増えているわけではないという「不都合な真実」に気が付きました。今日は、同じ解析を建築塗料について行ってみたいと思います。建築塗料を選んだのは、世界中どこの国でも最も多く使用されている塗料だからです。

建築塗料は、世界的に見れば全体の約半分を占めると言われています。上の図の一次回帰線からひとりあたりGDPが10000ドル増えると建築塗料消費量は1L,消費金額は7ドル増えることがわかります。数量、金額とも塗料全体に比べ約半分の増加割合ですので、辻褄はあっています。

塗料消費について日本は世界の中でも先進国レベルであることはこれまでいろいろな面から見てきました。しかし、こと建築塗料に関しては日本は先進国並みとは言えません

欧米諸国のひとりあたり6-10Lに比べると日本の建築塗料数量は半分以下に過ぎません。この理由は戸建て内装が壁紙に独占されていることや、外壁も新築時に建築資材の張り付けで塗装されないなどさまざまなものがあるとは思いますが、欧米の半分以下であることは事実です。

これも10年前のデータと比較します。各国のひとりあたり建築塗料数量の年平均成長率を下図に示します。

昨日と同様に、韓国、ロシア、ポーランド、トルコ、カナダはCAGRがマイナスでした。また成長率の高い国の中でイギリスが異質に見えるのも同じです。

昨日と同じように散布図にして示します。

建築塗料についても昨日と同じ結果になりました。すなわち黒い実線でしめす2013年=2023年の線よりも下にプロットされている国(ひとりあたり消費量が10年前から減少している国)がかなりあるということ、一次近似線の傾きが2013年=2023年の線よりも緩やかなこと(ひとりあたり消費量の大きい国は増え方が小さいこと)です。端的に言えばひとりあたり建築塗料消費量が減っている国がかなりあるということです。塗料全体がそのような状態なので、この結果は当然かもしれません。

ただし、これは統計データの一貫性、信頼性の問題もありますので、明日もう一度検証してみたいと思います。

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