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かんとこうブログ

2024.09.12

8月の気温と電力消費量の関係・・過去5年間の比較

先日、8月の気温についてご紹介しましたが、今日は気温と電力量の関係についてご紹介したいと思います。

例月のように東京電力管内における日毎ピーク時供給量と消費量の月平均を過去4年間と比較してみました。データは下記接続先からの引用です。

でんき予報|東京電力パワーグリッド株式会社|東京電力ホールディングス株式会社 (tepco.co.jp)

2020年からの5年間では、今年の日毎ピーク電力消費量と供給量の月平均は、両方とも2020年、2023年についで3番目でした。8月は昨年とならび過去最高レベルの暑さと報告されていますが、電力については、少なくとも東京電力管内では過去最高とななりませんでした。全国の電力消費量の正式統計数値は経済産業省から発表されますが、現時点の最新値が5月ですので、8月の結果はまだしばらく先になります。

日毎の推移もグラフ化してみました。

左図が消費電力、右図が供給電力です。赤線の位置を見ていくと、消費電力の場合には、2024年は全体的にデータの上の方で推移していますが、供給電力は大体中位あたりを推移しています。事実、2024年の特徴としては供給量と消費量の差が小さくなってます。これは、配電のコントロール技術が向上したのではないかと推測しています。

一方、気温の方はすでにご紹介しているようにかなり暑かったわけですが、先日は平年値との比較としてご紹介していましたので、ここでは電力量と同じく、2020年からの5年間の比較でご紹介します。日毎の平均、最高、最低気温の月平均値の比較です。

2024年8月の月平均値は、日毎平均気温と日毎最高気温が2023年、2020年についで3番目に高く、日毎最低気温は2023年についで2番目でした。それぞれの毎日の推移を見るとかなり高い方を推移しているように見えます(下図)が、平均値として見ると、さほどではありませんでした。(もちろん平年値(1991年~2020年までの平均値)に比べれば、日毎平均、最高、最低ともかなり高い数値でした。)

さて、気温と電力消費の関係ですが、これまで日毎平均気温と比較してきましたが、ピーク電力量と比較するのであれば日毎最高気温と比較するべきではないかと思い、グラフを作成してみました。これを見ていただくとかなりよい関係性が得られることがわかります。(以下の散布図は横軸が日毎最高気温(℃)、縦軸がピーク電力量(万KW)です。

各年ともプロット全体ではかなりばらつきがあるように見えますが、そのバラつきは平日と休日の違いが大きな要因です。上の図では休日(土日+お盆休み13日から16日)を水色で示しており、この水色で示した休日は、明らかに平日よりも電力消費が少なくなっていて、平日のプロットだけで見ればかなり回帰性が高そうに見えます。2024年の図から推定すると、平日においては1℃最高気温があがると電力消費量が170万KW増加すると推定されます。

またこの図からは、改めて各年の日ごと最高気温の分布が一目で理解できます。この図をみるだけで2020年、2023年、2024年が暑かったことがわかります。

実は日毎平均気温と電力消費量についてもグラフを描いてみましたが、ほぼ同じ結果でした。日毎平均気温と日毎最高気温の間には密接な関係があるから当たり前です。

最後に日毎平均気温および日毎最高気温とピーク電力の関係について、それぞれグラフを描いてみました。ほぼ同じグラフになりました。

当然ながら、暑い時は電力消費が増えるということ、気温とピーク電力消費の関係は平均気温でも最高気温でも同じような関係性にあるということ、この5年間をみると供給電力と消費電力の差が小さくなっており、効率定な配電が行われていると推定されるというのが今日のまとめです。

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