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かんとこうブログ

2025.01.10

これまでの45年間をGDPで振り返ると・・その2

昨日は世界のGDP上位5か国における45年間のGDPを振り返って、いかに日本のGDP推移が世界から大きく外れているかをご紹介しました。今日はその続きです。

さてGDPの推移に影響を与えるものにはあと人口と為替レートがありますので、順番にご紹介します。最初は人口からです。(データは「世界経済のネタ帳」から引用させていただきました)

アメリカとインドが単純増加のように見えますが、内容はかなり違います。アメリカの場合には多くの移民が含まれており、人口増加の半数近くが移民によるものと推定されます。またドイツは5次近似式を使わなければならないほどいびつな推移になっており、ここも難民移民の流入に加え東西両ドイツの統合という複雑な事情もあります。しかしドイツも全体としては増加傾向です。

この中で今後人口が減少していくと見られるのは日本と中国です。日本は2008年をピークに減少に転じ、中国も2022年に減少に転じたとされており、グラフにそれが現れています。国のGDPはひとりあたりのGDPに人口をかけたものですので、人口の減少はGDPの減少要因となります。

最後に為替レートを見てみましょう。(データはFXTOPサイトより引用させていただきました)

円と€は対ドル為替レートの変動が激しいのですが、45年前と今を比較すると€に対しては$高に、円に対しては$安になっています。中国の人民元、インドのルピーに対してはいずれも大幅な$高になっています。最終的には$換算で比較されますので、為替レートはある意味重要です。日本について言えば、2013年頃の超円高時代からみれば今は円安($高)になっていますが、45年のスパンで見ればわずかに円高、$安になっているのです。

さて、ここまで見てきたことをまとめてみたいと思います。1980年からの45年間の中で名目GDP(US$)、購買力平価GDP、実質GDP(自国通貨)、GDPデフレーター、為替レートについて推移の近似式から読み取った傾向が下表のようになります。

赤字は名目GDP(US$)に対してマイナス方向に作用したと思われる項目です。日本はほとんどの項目でマイナス作用が働いており、これでは地盤沈下するはずです。自国通貨の実質GDPが減少していることが最大の問題です。政府に見通しでは、これまで日本経済が苦しんだ需要不足が2025年には解消されるということですが、果たしてその通りになるのか、とにかく、この45年間を見ると日本の病は重く、簡単には治らないように思われてなりません。

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