かんとこうブログ
2025.03.26
今年は的中あり!・・桜の開花式
一昨日、靖国神社の標本木で6輪の花が開花し、東京の桜の開花宣言がありました。ちょうど桜開花日の平年値と同じ日になりました。当ブログでは桜の開花式を毎年紹介し予測してきましたが、昨年の予想が大外れだったことと、今年はそれを行う時間の余裕がなかったこともあり、桜の開花は様子見としていました。今年の気温を使って開花式を検証すると、今年はまずまずの的中率であることがわかりました。今日は今年の開花について、今年の開花式の検証と昨年の大外れの理由について考えたことをご紹介します。
まず開花式についてですが、以下の4本の式を使って予測、検証してきました。
今年については、①式が的中、②と④が2日違いとなりました。実際の気温データと累積値の一覧表を下に示します。気温データは気象庁の過去の天気検索サイトから、東京都の靖国神社最寄りの東京地点のデータを使用しています。
さてこうなると昨年の大外れの理由がますます気になります。昨年時点では、その理由について、開花の準備を本格的に開始する「休眠打破」の時期が遅れたためではないかと考え、12月~2月までの気温を調べ、平年値よりもいずれも平均で2℃近く高かったことが判明し、それが原因であろうと推定していました。
しかるに今年は開花式の予測がほぼ的中しました。そこで昨冬と今冬についてどの程度気温が違ったいたのかを調べてみました。毎月の気温についてはすでにグラフがありますので、それを繋ぎあわせて作成しましたので、少々お見苦しいのはご容赦ください。
上が昨冬、下が今冬です。図中に数字は日毎平均気温の実測値と平年値のそれぞれの月平均の差です。(平均すると、その月は毎日この数字の分だけ平年値よりも高かったということになります。)昨冬と今冬を比べるとなんとも微妙です。11月~1月までの気温を見ると確かに昨冬の方が今冬よりも平年値との差が大きいことは大きいのですが、全く違うほど大きくはありません。もし11月~1月までの気温が「休眠打破」の時期を決定するとすれば、昨冬と今冬のデータから以下の仮説が立てられます。
一つ目は、「休眠打破の時期を決定する閾値が昨冬の気温の高さと今冬の気温の高さのあいだに存在している」、二つ目は「休眠打破の時期を決定する気温条件として、8月~10月の気温も影響を与えている」です。桜は前年の8月ことから開花の準備に入ると書かれています。であれば8月~10月の気温も関係して当然です。
しかしながら、2024年8月~10月の気温が異常ともいえるほど高く(日毎平均気温の実測値と平年値のそれぞれの月平均の差が8月2.10℃、9月3.24℃、10月2.64℃)2023年8月~10月の値を軽く上回っているため、二つ目の仮説については成立しないのではないかと思われます。
桜の開花予想を公表している気象予想会社は、解説の中で、休眠打破の時期についても独自の推定を行っているそうです。もちろんその方法は企業秘密ですので、私としては、またしばらくこつこつと気温と開花式の的中度の関係を調べるしかないと思っています。