かんとこうブログ
2025.07.04
年齢別年金支給額の表を見て唖然となる!
ネットを見ていて年齢別年金支給額の一覧表が目に留まりました。今まであまり考えたことがなかったのですが、グラフにしてみて驚きました。現時点での年金支給額は年齢によってかなり差があるのです。しかも自分の年齢は他の年代に比べ少ない金額になっているではありませんか?ということで調べたことをご紹介します。
ネット記事に載っていた表の元を辿ると厚労省の資料(下記URL)であることがわかりました。この試算表をグラフにしてみたのが下図です。
https://www.mhlw.go.jp/content/001359541.pdf
左が厚生年金第1号被保険者(国民年金部分含む)、右が国民年金です。あくまで数値は平均支給月額ではありますが、厚生年金では72歳が最も低い額になっています。一方国民年金の方は、高齢者ほど低い傾向ですが、83歳から89歳まで底上げがされているようです。厚生年金のモデルでは最も低い72歳と最も高い88歳では月額2万円ほど差があります、表で見ているうちは気が付きませんでしたが、これは極めて不公平ではないでしょうか?
年金の計算式自体はさほど複雑ではありません。
国民年金では、変動因子は納付月数だけです。毎年基準額が変わりますので、これが年齢別で差が出る要因になります。一方厚生年金の方も比較的簡単な式ですが、最も重要な報酬比例部分が一筋縄ではいきません。というのは報酬比例部分の乗率が、①2003年3月以前と以降で ②生年月日によって 異なるからです。
①の2003年以前と以降で乗率が異なり、2003年以前の報酬に対する乗率は7.125/1000、以降の乗率は5.481/1000となっています。すなわち年長者ほど高い乗率で計算される年数が長いことになります。20歳から60歳まで40年間年金を納付した場合について年齢別の乗率を計算してみたのが上右図です。実際には年度ごとに標準報酬月額に乗率を掛けて計算していくのでこの通りにはなりませんが、標準報酬月額が同じであればこの図の通りになります。
生年月日については下表に示すように、1946年4月2日以降の人は同じですので、現在79歳より若い人は同じですが、それより年長の人はより高い乗率を使って計算されます。このように、年代によって乗率に差を設けているのは、昔は給料が安かったことに対する是正と考えられます。
年代によって乗率に差があることは理解できるのしても、もらえる年金にここまで差があるのはどうしたものでしょう。こんなことを言うと若い人たちから「お前たちはまだマシだ」と怒られそうですが、やはり是正されるべきものだと思います。
厚労省の年金資料ではこのほか、都道府県別の平均年金額も載っていました。これも参考までに示します。
国民年金と厚生年金(国民年金部分含む)について都道府県別の平均月額を多い順に並べたものですが、国民年金と厚生年金では全く異なる順番になっています。すなわち国民根金では、赤の首都圏、水色の大阪圏が比較的下位(少ない方)にあるのに対し、厚生年金では上位にあることです。この真反対ともいうべき年金額の理由はわかりませんが、自営業の人々の年金に対する考え方の差のようにも思えます。
それにしても73歳の私にとって、厚労省の示した年齢別厚生年金支給額は大変にショックでした。