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かんとこうブログ

2025.07.08

連合調査の2025年賃上げ結果の詳細

先週、連合が発表した2025年の賃上げについての調査結果の概要が新聞に紹介されていました。昨年を上回る賃上げ金額であったこと、規模別ではかなり差があったことなどが紹介されていましたが、もう少し詳しい情報を知りたいと思い、連合がネットで公開している調査結果(下記URL)を読んでみました。今日はこの連合の賃上げ調査結果についてご紹介します。

https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2025/yokyu_kaito/kaito/press_no7.pdf?8754

この連合の2025年の調査結果は、組合数にして5162、組合員数にして296万人を対象(下表)にしています。

組合の数では圧倒的に小規模組合が多いのですが、組合員数(組合加入者数)では大規模組合の方が多くなっています。

2025年と2024年の賃上げについて、規模別の金額と率のグラフを示します。横軸は、組合規模(従業員数)です。

2024年と2025年を比較すると確かに2025年の方が、いずれの規模においても金額、率とも大きくなっています。また、組合規模(企業規模)による賃上げ金額、賃上げ率の差は、大変に大きな差があることもわかります。

ここで示した金額は、定期昇給分を含んでいますので、定期昇給と賃上げ分(ベースアップ分)に分けた場合の金額を下図に示します。これは全ての組合が開示しているわけではないので、合計金額が上のグラフと少し異なります。

2024年と2025年の定期昇給額と賃上げ額を比べると、2025年が多かったのは賃上げ額であり、定期昇給額はむしろ2024年の方が多いケースが目につきます。すなわち、2025年の賃上げが昨年を上回った理由は、ベースアップ分が多かったためだったということです。(これは当然とも言えるのすが、数字で確かめられました)

賃上げ額と賃上げ率がわかれば、これらの数字から平均給与も計算できますので、算出してみました。組合規模(企業規模)の差はやはりかなりあることがわかります。このランク分けでは、1ランク毎に3万円程度差がありました。

調査結果の中で、最も興味深かったのは賃上げの長期データです。平均賃金方式における賃上げ率の推移で1989年の連合結成以降の数字(賃上げ%)が載っていました。

今回の賃上げは加重平均で計算すると率として昨年に続き5%を超えるのですが、それ以前ではバブル期の1991年までさかのぼらないと見当たりません。さらに面白いのは、1991年から1993年までは、中小の賃上げ率が全体平均を上回っていたことです。わずか3年ですが、そうした時代があったのは知りませんでした。

一方で、90年代後半から2020年にかけては、賃上げ率が2%以下が続いています。内容はほぼ定期昇給で、べースアップ部分はほとんどなかったものと思われます。

このグラフを眺めていると、やはり物価の上昇率と比べてどうなのか?比較してみたいと思いましたので、なんとか数字を探して比べてみました。その結果は明日ご紹介します。

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