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かんとこうブログ

2025.08.04

Coatings World誌の続き・・各社の成長率について

週末にご紹介したCoatings World誌の続きです。TOP30社および日本メーカーの成長率について計算してみました。成長率の計算には売上推移を調べなければなりませんので、まず売上推移グラフからご覧ください。

1位から11位までの推移ですが、この中で唯一売上が減少しているのが右上図青線のAkzoNobelです。為替がこの間ドル高傾向にありましたが、それを差し引いてもなお減少と思われます。反対に売上を大きく伸ばした会社としては、Sherwin Williams(アメリカ)、日本ペイント、Asian Paint(インド)が挙げられます。続いて12位から30位です。

12位以下では、途中からランク入りした会社も多く少しわかりづらくなりますが、減少傾向にあるのが、DAW、SK化研、Briluxです。DAW、Brilluxはいずれもドイツであり、このランキングでは日本とともに為替の逆風が吹いています。逆に期間の途中からランクインした会社は概ね大きく売り上げを伸ばしています。上左図の赤線SK SHU(中国)上右図水色線のICP(アメリカ)、下左図水色線のTOA(タイ)、がそれらにあたります。このほかHempel(デンマーク)、Norroo(中国)、Lanco(アメリカ)も売り上げを大きく伸ばしています。

どうも為替の影響が気になりますので、TOP30以外のランク入り日本メーカーについて売上の推移を調べてみました。

全般的に減少傾向にあるように見えます。少なくとも日本円での決算において大半の会社が売り上げを減少させてきたということがありませんので、これはやはり為替の影響と思われます。

実際に為替レートを調べて見ましたが、下図に示すように円、€のいずれも当該期間ではドル高傾向にありました。

この間$は円に対して約2倍に、€に対して約1.3倍になっています。先ほど日本や欧州の会社の売上が減少していると書きましたが、ここまで為替が変動していると真の姿がわかりません。年度末(3月31日)時点で為替レートで円換算して改めて売上推移と成長率を計算してみました。

結果を下表に示します。

$ベースで計算した年平均成長率(CAGR)ではランク入りした日本メーカー13社のうち8社がマイナス成長率になっていましたが、円ベースではマイナス成長は1社のみになりました。

これがこのランキングの怖いところだと思います。自国通貨が高い国ほど過大評価される傾向にあります。ただし、これは公開されている唯一のランキングであり、通貨をそろえなければ比較はできず、共通通貨としては$の一択であることも自明ですので、どうしようもないのですが、悩ましくもあります。まあ、これはあくまで参考と割り切っていればよいだけの話かもしれませんが・・・

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