かんとこうブログ
2025.08.26
知床の旅 知床におけるヒグマの存在について
先週8月20日から24日まで、知床のウトロに滞在していました。実はこの旅行は当初8月1日から5日の予定でしたが、台風の影響で飛行機が欠航になる可能性があると言われたため日程を変更していました。変更した出発の日が近づく中で、14日に羅臼岳に登山中の20代男性がヒグマに襲われて死亡するという事件が起きました。羅臼岳は知床半島の最高峰で、その登山道入り口は人気の観光スポットである知床五湖にも近く、予定していた観光日程にも影響が出るのではと心配していました。事実、事件後知床五湖の遊歩道は閉鎖となってしまいました。
事件後4日ほどで閉鎖になっていた知床五湖の遊歩道のうち高架木道が開放されたと発表がありました。高架木道は、高さ2M~4Mで周囲に電気柵が施されており、万が一にもヒグマと直接遭遇する可能性がないと説明されていました。そうこうしているうちに、前日になって、知床五湖の地上遊歩道も開放になり、申し込んでいたツアーも実施されると連絡がきましたが、家内と相談してとりあえずキャンセルすることにしました。どうなるにせよ、もう日程の変更はできないので、安全に見れるところだけ見ることにして、そのままの日程で出発することにしました。
20日空港からレンタカーでウトロまで行きました。途中オシンコシンの滝にも寄りましたが、ヒグマに対する特別な注意書きなどなく、他の観光客の中にも警戒感はありませんでした。
翌日、知床自然センターを訪問しました。この知床自然センターは知床国立公園の玄関口として公園利用者への情報提供や自然教育活動を行う目的で設立されたもので、同時に名勝フレペの滝(オホーツク海に面した断崖の途中から地下水が噴出している滝)への遊歩道の出発点でもあります。
近
この自然センターを訪問した時点では、フレペの滝への遊歩道は熊の目撃情報のために閉鎖となっていましたが、訪問中に解除するという館内放送があり、確かに館内の掲示板では閉鎖から解除に切り替わっていました。解除に切り替わったばかりでもあり確信がもてなかったので、少しだけ様子を見に行ってみることにしました。クマ対策として持っているのはクマ避けの鈴だけで、心細さは否めません。他の人がいれば心強いと思い、外国人グループの後ろについて500Mほど歩いてみました。森の中は静寂で、熊が近寄る音が十分聞き分けられそうでした。途中鹿を見ました。鹿は知床ではよく見かけました。最終日には空港へ向かう運転中の国道244号線で、いきなり目前を3頭の鹿が横切り驚きました。
自然センターからフレペの滝への道を少し歩いたのでなんとなく落ち着きましたので、知床五湖へ向かいました。ツアーはキャンセルしてしまったので、予約のいらない高架木道だけを歩くか、あるいは現地で講習を受けて地上の遊歩道も歩くかの選択は行ってみてから決めることにしました。
知床五湖の玄関口である知床五湖フィールドセンターに着くと大勢の観光客が訪れていました。知床観光の最大のスポットとも言える場所ですので当然ですが、そこにはヒグマ事件の緊張感など一切なく平常感が漂っていました。このフィールドハウスでの講習(@250円)を受ければ、だれでも地上遊歩道を歩くことができると説明をうけました。
講習では、クマと遭遇した場合の所作、いやそれ以前にクマと出会わないような行動、クマの習性などをビデオで習いました。その中で最も印象に残ったフレーズは「知床はもともとクマの居住地です。そこへ人間が入っていくときには、クマの居住地にお邪魔させてもらうという認識が必要です」という一節でした。日本全国では頻発している人間の集落にクマが出没する場合とは異なり、もともとクマが住んでいる場所に人間が入っていくという状況になるのだと理解しました。ここで働いているスタッフの方々の説明から、正しい行動をとればクマはむやみに人間を襲ったりしないという確信があるように感じました。
とはいえ、この遊歩道周辺でのクマの目撃情報は連日のようにあって、ビデオの最後にそれらも紹介されていました。二日に一度くらいの頻度で目撃情報がありますが、それでもそれが事件につながるケースはほとんどないようです。
知床五湖をめぐる遊歩道は、大ループ(3.0Km)と小ループ(1.6Km)の二つがありますが、小ループを選択し、無事に高架木道経由で帰ってこれました。
これだけ多くの人が訪れているのに事故が起きないことについて、やはり事前の講習の効果が大きいのかなと思います。14日に亡くなられた方は、走って下山をされていたと聞きました。走っている状態でヒグマと遭遇したのではないかと考えられているようですが、もしも走らずに下山されていればあのような不幸な事件にはならなかったのではと思わずにいられませんでした。
他の場所はともかく、知床ではクマが先住生物であり、地元の方やそこで働く方々は、クマと共生する道を歩もうと努力されていると感じました。