かんとこうブログ
2025.09.03
日本一の画材店、PIGMENT TOKYOに行ってきました
先週、天王洲アイルに行く機会があり、以前に当ブログでご紹介した日本一の画材店、PIGMENT TOKYOに行ってきました。この画材店には、2021年9月29日に当ブログでご紹介(下記接続先)しており、以前より行ってみたいと思っていました。
寺田倉庫が運営する日本一の画材店 | かんとこうブログ | 関東塗料工業組合
中にはいり、恐る恐るスタッフの方に「写真を撮ってもいいですか?」とお聞きしたところ、「スマートフォンで撮影し、個人のSNSやブログでご利用していただくのは大丈夫です。」と言っていただきました。
この画材店、ご自身のHPでは以下のように紹介されています。
PIGMENT TOKYO(ピグモン トーキョー)では、アーティストの多様な表現を支える古今東西の良質な絵画材料を幅広く取りそろえています。4,500色にもおよぶ顔料は、鉱石や土などから成る伝統的な天然顔料から、最新技術で製造された多彩な輝きを放つエフェクト顔料まで多岐にわたります。加えて希少価値の高い硯や墨、600種を超える絵筆や刷毛、オリジナルの膠や越前和紙、西洋の伝統絵画技法に用いる道具や材料、その他入手困難な画材の販売も行っています。PIGMENT TOKYOでしか入手できないアイテムなど豊富な画材は、世界各国からご注文いただけます。技法材料に関する記事や動画を通じて、専門的な知識や情報も随時発信しています。店舗開催のワークショップもサイトからご予約いただけます。
この店に入って目を引くのが、壁一面に並べられた4500種類もの顔料です。(下写真)これらの多くはいわゆる岩絵の具と呼ば絵れている日本画などに使用される顔料で、塗料用に比べ粒子が粗いとスタッフの方が説明してくれました。
ところでこの棚をみて、地震になったらすべての瓶が落ちてしまうのではないかと思われたかもしれませんが、心配はご無用で簡単には落下しないようになっていました。(下の写真:金具で吊り下げられ、水平方向に自由に回転できるようにっています)
この瓶を回転すると裏面に価格が表示されています。数字だけなので、単位がわかりませんが、15gあたりの値段(円)だそうで、この15gというのは日本画材の伝統的な取引単位で、もともとは1両(4匁)といい薬種商が使う単位だったものです。かつては薬種商が絵の具を扱っていたため、今でもこの15gが商取引の単位として使用されていると説明していただきました。
さらに上の写真の奥に見えるのは、イタリアのZECCHI社の顔料で、細長い瓶に入って陳列されていました。お目当てのウルトラマリンを探すと見つかりました。この顔料はかつて当ブログで紹介したことがありますが、フェルメールが好んで使用した顔料であり、「真珠の耳飾りの少女」が撒いているターバンに使用されている色です。当時のウルトラマリンは、宝石でもありアフガニスタンから輸入されていたそうです。別名はラピスラズリとも呼ばれます。詳しくは弊ブログ「フェルメールの青」をご覧ください。
と最初書いていたのですが、実はこの記事を読んでいただいたPIGMENT TOKYOのスタッフに方から「写真を撮っていただいたものは合成品で、天然物のウルトラマリンは少し離れた場所に陳列してあります。」とご連絡をいただきました。店の中を勝手に歩いて探したもので、最初から案内をお願いした方がよかったと反省しました。「少しのことにも先達はあらまほしきことなれ」です。
フェルメールの青 | かんとこうブログ | 関東塗料工業組合
このほか珍しいものでは、筆(下写真)や膠(にかわ)、墨なども陳列されていました。
今回は、あまり時間がなく早々に切り上げましたが、今度はもっと時間をかけて見てみたいと思います。
買いもしないのに親切に対応していただいたスタッフの方に感謝申し上げます。