かんとこうブログ
2025.09.19
月間建築仕上技術創刊600号記念に、関塗工を代表して藤倉化成様より投稿していただきました
月刊誌「建築仕上技術」が、この9月で創刊600号を迎えました。その記念号に「建築仕上の未来予想図」という特集が組まれ、115名の方々からいただいた投稿が掲載されています。関塗工事務局にも執筆依頼があり、最終的に藤倉化成様に執筆をお願いいたしました。投稿者の内訳は、設計・研究・教育から48名、団体32名、企業35名です。藤倉化成様には、関塗工の代表として書いていただきましたが、区分としては企業に入っています。
ここのその投稿記事の内容を以下にご紹介させていただきます。梶原様ご執筆ありがとうございました。
建築仕上げの未来を拓く塗料技術の革新と挑戦 ~創刊600号を祝して~
梶原 久(かじわら ひさし)常務取締役塗料事業部長
建築仕上げは、今後も建物の美観と機能性を両立させた重要工程は変わらない。更に技術革新と社会的ニーズヘの対応により、今後ますます進化してく必要があると考える。建築仕上げは、環境配慮、個別最適化に加え、塗装技術の革新が大きなカギを握ると考える。
まず、当社の建築仕上げの中心である「多彩塗料」が更なる進化を遂げると考えている。単色仕上げとの差別化として意匠性が重視されて、建物の個性を表現する手段としての役割が強かつた。ナノ技術や光学材料の応用により、複数の自然素材の風合いを組み合わせた自然界にない新たなニーズに対応し、設計者の創造性をより自由に表現できるようになる。
次に、高耐候性塗料の革新が続く。気候変動による過酷な環境下でも、これまで通りの長期間にわたり美観と機能性を維持できる塗料が求められる。紫外線や酸性雨などに加え、温度による表面軟化や雹などによる物理的衝撃を考慮した塗料設計が必要となる。これまでと異なる過酷な環境下でも、メンテナンス頻度の低減と躯体保護に貢献し、メンテナンスサイクルの削減と環境負荷の低減に貢献する。
更に、省力化塗装技術が最も重要なトレンドとなり、塗装時だけでなく、製造時も考慮すべき課題である。複雑な作業工程の改善は、生産性向上と安全性確保の両面で大きなメリットをもたらす。
最後になりましたが、月刊建築仕上技術創刊600号、誠におめでとうございます。貴紙を通じて、業界の動向や技術の進化を伝えてこられた貴紙の歩みは、私たちにとってかけがえのない情報源であり、励みでもあります。これからの更なる飛躍を心より期待しております。
月間 建築仕上技術2025年9月号 創刊600号記念特集 建築仕上材の未来予想図 P.91より転載