かんとこうブログ
2025.10.17
メタクリル酸エステルとメタクリル樹脂が高騰!?
10月15日に発表された経産省確報データから計算した塗料原材料単価をご紹介します。例月のように22品目について単価指数の推移を示します。図中の金額は8月の単価と前月からの変動(円/Kg)です。
今月の驚きはメタクリル酸モノマーです。これまでずっとアクリル酸エステルよりも低価格であったものが急激に値上がりしています。モノマーだけでなく、メタクリル樹脂も同様に高騰しています。
有機溶剤ではメチルイソブチルケトンが大きく値上がりしましたが、ご覧のように大きな価格変動をずっと繰り返していますので、価格変動サイクルの一環ではないかと思っています。
顔料では、アゾ顔料が大きく値上がりしましたが、アゾ顔料とフタロシアニン顔料は単価自体が高く、品種による価格差も大きいことから、過去から大幅な価格変動を繰り返していますので、今回もその一環と考えています。
樹脂の中ではメタクリル樹脂の値上がりが目立ちます。モノマーが上がっているので当然と言えば当然ですが、その理由が心配されます。
価格が5%以上あがった原材料の出荷数量と出荷金額のグラフを示します。
メタクリル酸エステルとメタクリル樹脂をみると、このところ出荷数量も出荷金額も大きく減少していることがわかります。ここから今回の価格高騰の理由は、供給数量の減少が原因ではないかと思われます。メラミン樹脂もそうした供給数量低下の兆しがあり不安を感じます。
逆に5%以上単価が下がった原材料に関しての出荷数量と出荷金額の推移です。メチルイソブチルケトンがこのところ供給減少傾向にあるのが気にかかります。
最後に2025年8月時点の各原料の単価指数(2021年1月=100)について示します。全体の単純平均はここ1年ほど横ばいを続けていますが、8月は再び150を超えました。