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かんとこうブログ

2025.10.27

首都圏マンション価格を2年前と比べてみました

先日東京23区のマンションの平均発売価格が1億3600万円と高額になったと報道されました。全体の平均が9960万円で辛うじて1億円を下回っていますが、果たして全体的に値上がりが続いているのかどうか気になりましたので、2年半前に当ブログで書いた記事の内容と比べてみました。いずれもデータは不動産経済研究所(下記URL)です。

https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/647/3v65ms1a.pdf

首都圏全体の平均販売価格の推移は下図のようになっています。2023年3月だけが以上に高い平均価格となっていますが、大勢としてはその後もじわじわと上昇を続けており、近畿圏との価格差も広がりつつあります。

価格分布を2年半前と比較すると下図のようになります。左が2023年3月発売の物件、右が2025年9月発売の物件です。

2023年3月と2025年9月を比較するとさまざまな相違点があります。一つ目は成約率で、2023年3月では1億円以上の高額マンションがほぼ完売状態でした。2025年9月は成約率は2023年3月と比べて全体に低く、特に高額マンションでは高額になればなるほど低くなっています。二つ目は最多販売価格帯です。2023年3月では高額マンションも多かったとはいえ、最多価格販売帯は(4000万円以上)5000万円以下でした。しかし2025年9月では1億円以上(2億円未満)が最多価格帯となっています。販売されているマンションの約半分が1億円以上となりました。

一口に首都圏と言っても地域差は大きく、販売価格状況は一様ではありません。2025年9月の各地域の販売価格帯分布を示します。

今回調べて驚いたことの一つに東京23区に匹敵する件数のマンションが神奈川県で発売されていたことです。さすがに2億円以上の超高額物件は差がありますが、1億円以上(2億円未満)の物件数、成約数は遜色がありません。最多価格帯も両地域とも1億円以上(2億円未満)です。全体としてはむしろ神奈川県の方が23区よりも多くなっています。

この2地域以外ではさすがに1億円以上の物件数は激減します。最多販売価格帯は、東京都下と埼玉県が7000万円以下(6000万円台)、千葉県が6000万円以下(5000万円台)となっています。埼玉県の場合5000万円以下(4000万円台)にも第2のピークがあります。

1億円以上の物件について、販売件数と成約件数の内訳を示します。

両者とも似たようなグラフになりました。大まかに言えば、1億円以上の発売件数も成約件数も首都圏全体の、半分程度が23区、4割程度が神奈川県、1割弱が埼玉県、2-3%が東京都下ということになります。

さて東京23区と神奈川県では高額マンションの発売件数、成約件数においてこのように伯仲していますが、物件の内容を見ると少し違っているようです。下図に地域別の平均単価と平米単価を示します。両グラフの縦軸は揃えてあります。

平均単価(1戸あたりの価格:青縦棒)では、2023年3月と比べて、23区が大幅低下、神奈川・埼玉大幅上昇、都下・千葉県小幅上昇であるのに対し、平米単(ピンク折れ線)でも、2023年3月と比べて、23区小幅低下、神奈川・埼玉大幅上昇、都下・千葉県小幅上昇となりました。すなわち2023年3月から2025年9月にかけての地域別の平均単価の推移は、平米単価の推移であり、唯一23区だけが低下しているということになります。

また、23区について言えば、平均単価は大幅に低下しているのに、平米単価は小幅の低下に留まっており、これは発売うされるマンションの面積が小さくなっていることを示しています。神奈川県ついては、平均単価も平米単価も同じ様に大幅上昇なので、面積は変化していないのではないかと推定されます。さらに言えば同じ1億円台のマンションでも、東京と神奈川県では面積がかなり異なるとも推測できます。

いずれにしても庶民には園ますます縁がなくなりつつあるような気がしています。価格高騰が(特に海外からの)投機目的であるとすれば、何らかの規制が必要であると感じます。

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