かんとこうブログ
2025.10.29
貿易統計9月の調査結果・・依然対米自動車輸出の単価戻らず
22日に財務省から9月の貿易統計が発表になりました。鉄鋼、非鉄金属、自動車、自動車部品について、トランプ関税発動以来日本の輸出状況を調べていますので、9月についてもご紹介していきます。
結論から書くと、「これまで同様、鉄鋼と非鉄金属については変化なし。自動車と自動車部品については、来米輸出において今年の5月以降数量は大きな変化なしであるが、金額が明らかに減少しており、その理由は単価が下がっていることである。こうした状況は9月になっても変化はない」ということです。
では具体的にデータをみていきましょう。


これらのグラフは地区別の自動車輸出の推移を示しており、左から月間の輸出台数(万台)、輸出金額(百億円)、単価(百万円/台)、上から順に、輸出全体、対米、対EU、対アジアです。▲は日本の休日の関係で輸出が落ち込む1月、5月、8月を示しています。
さてざっと眺めていただきますと、1月、5月、8月を除くと大きな変動は少ない中で、対米輸出における金額と単価が今年の5月以降落ち込んでいることがわかります。輸出全体もその4割弱を占める対米輸出に引きずられて影響を受けています。
対米自動車輸出の関税は、もともと2.5%だったものが、一時は25%になり9月に15%に引き下げられた形で決着を見ているようです。15%に下がってやれやれではなく、元から見れば12.5%も上がっているわけで影響がないはずはありません。対米輸出の単価を見る限り25%から15%に下がった効果も認められません。しかし、これは大統領令に署名されたあと、どのようなプロセスでそれが実効となるのかは私にはわかりませんので、次月の結果から判断したいと思います。
一方自動車部品については以下のようになりました。ここでも対米輸出の単価は大きくその単価を下げています。自動車部品の場合、最大の輸出先はアメリカではなくアジアですが、アジアの単価も低迷しており、輸出全体の単価も低めに推移しています。
