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かんとこうブログ

2025.11.05

世界TOP3の2025年第3四半期(7-9月)決算

気が付けば、すでに海外では2025年第3四半期(7-9月)の四半期決算が発表になっていました。ずっとフォローしている世界のTOP3の決算をご紹介したいと思います。そんな海外の大会社の決算なんか日本の商売に関係ないよとお思いかもしれませんが、市場分野別の市況などは参考になるのではないかと思っています。

それでは2024年のCoatings World 誌のランキング順位に従ってSherwin Williams(下記URL)からご紹介します。

Investor update Q2 2025

Sherwin Williams社の特徴は、何と言っても売り上げの半分以上を占める南北アメリカ4000の直営店の売上です。直営店以外の汎用品商売(消費者ブランドグループ)や工業用(旧バルスパー:機能性塗料グループ)が前年割れに苦しむ中でも盤石の売上、利益を残しています。ただ、通期(1-9月)では若干ながら調整後EBITDAが前年比マイナスとなっています。

市場分野別の第3四半期の前年同期比(下左図)では以下の状況で、第2四半期(4-6月:下右図)よりは全般に改善されています。

第4四半期の予想としては、全体及びペイント店グループは、LSD(1~3%)からMSD(4~6%)の増加、消費者ブランドグループは、20%に近い10%台から20%台の増加、機能性塗料グループは、LSDの増加と見込んでいます。また通年の予想としては全体でLSDの増加と予想しています。

続いてPPGです(下記URL)

3Q 2025 PPG Earnings Presentation

   

PPGも全体に赤の前年比割れが目立つ内容となっています。第3四半期単独よりも通期(1-9月)が苦しい状況です。PPGの第3四半期の市場分野別状況(下左図)は下図の通りです。第2四半期(下右図)と比べると状況は改善しているようです。

総括としては、航空、船・防食、包装用、自動車新車用に成長がけん引されており、自動車新車用はシェアアップで8%増収し、航空用は過去最高の売上、利益と報告しています。また2025年第四半期は、全体で0~LSD、2025年通年で+LSDとの予想を示しています・

最後はAkzoNobelです。(下記URL)

Investor update Q3 2025

AkzoNobelも赤字の目立つ四半期決算となりました。売り上げ寄与要素の中では、為替によるマイナスが大きいことが判ります。全社および両セグメントとも第3四半期は減収減益であり、通期(1-9月)でも建築の調整後EBITDAを除き前年を下回りました。

市場の状況については、前記2社とは少し異なり、第3四半期(下左図)は第2四半期(下右図)と同じもしくはやや軟調ぎみです。

第3四半期の総括として、数量は前年比-1%、単価は+1%、為替差損が26億€とありました。1€=178円で計算すると4600億円ほどになります。AkzoNobelは毎回下図を示してくれており、価格と数量の変化から市況を推測することができます。

各分野とも2022年の価格高騰は2023年までで収束し、その後は微上昇に留まっていることがわかります。もう一つ面白かったのは販管費削減の成果を示していることです。具体的にはEMEAで4か所、北米で2か所の閉鎖、インドの売却で、従業員を2500人削減、年間で1億7500万€(約311億円)の削減を達成したとしています。(下図)

人を減らして人件費は削減できたかもしれませんが、売上や利益はこれまでと同様に確保できるのか、確保できるとすればもともと余剰人員だったのか、というあたりが気になります。

2025年通年での見通しについては、調整後EBITDAが14.8億€(約2630億円:€=178円)、数量は微減としています。中期的計画としては、2023年~2027年までの年平均成長率が6%、マージン(粗利益)が16%以上を掲げています。

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