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かんとこうブログ

2025.11.10

実質賃金は下がり続けている!?

先日発表された厚生労働省の「毎月勤労統計調査」で、9月の実質賃金が9カ月連続の前年比マイナスとなったことが報じられていました。賃金はそれなりに上がったいるものの、まだ物価上昇が賃金上昇を上回っているということのようです。少し長い期間で見るとどうなっているのかと、8年間遡って調べてみました。

pdf2509p.pdf ほか

好況だった2018年から2019年10月の消費税増税、コロナ禍を経て消費者物価指数は微増から減少傾向にありましたが、2022年ロシアのウクライナ侵攻から消費者物価が急騰し、賃金上昇が追い付かない状態が続いています。2023年、2024年を見ると、2019年以来の賃金上昇にも拘らず、ほぼ一貫して物価上昇が賃金上昇を上回っています。

今回は9カ月連続での実質賃金前年比マイナスでしたが、2022年3月から2025年9月までの42カ月でみると、この間実質賃金が前年比プラスとなったのは、2022年3月と2024年の6月、7月、11月、12月の5カ月しかありません。高市総理は、とにかく物価高対策を急ぐと言明していますので、即効性のある対策を期待したいと思います。

上のグラフをさらに遡って作成できなかったので、代わりに平均月額現金給与額の長期データをご紹介しておきます。

図1 賃金|早わかり グラフでみる長期労働統計|労働政策研究・研修機構(JILPT)

現金給与総額と決まって支給する給与の2種類について、従業員5人以上と30人以上の合計4通りの線が引かれていますが、いずれも1997年をピークに停滞、減少した後、2020年頃から上昇に転じ2024年時点でやっと1997年の水準に追いつきかけたというところでしょうか? 

ただし、これは給与支給額であり、これに物価変動を加えて実質賃金になります。1997年に追いつきつつあると言ってもそれは物価上昇があったのでは、実質賃金は低下してしまいます。

次に実質賃金の長期データを示します。

1990年から2023年までの約30年の実質賃金の推移

   

   

実質賃金で見ると1997年以降は一貫して下がり続けていることがわかります。稀に上昇する月はあっても、長期的には減少一途です。図中の数字は2020=100とした時の指数ですので、2020年から2023年まででも2.9下がったことになります。因みに2023年の指数97.1を1997年の116.4から見ると83.4になります。つまり、この26年間で実施賃金がおおよそ5/6になったということです。

   

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