かんとこうブログ
2025.12.19
2025年は2024年よりも改善・・日銀短観のDI
12月15日に日銀短観12月調査分が公表されました。全般に改善傾向にあると言える内容でした。いつものようにマスコミが報道しない中小企業のDI値を中心にご紹介します。
中小企業の製造業と非製造業のDI値の2005年から2025年までの推移です。日銀の時系列データ検索サイトでグラフを描かせました。青丸はDI値が製造業>非製造業、緑丸が製造業<非製造業の期間で、リーマンショック、コロナ禍といった大きな経済停滞時には製造業<非製造業となっています。リーマンショックからの回復期には、製造業と非製造業の線はたびたび交差していましたが、コロナ禍明けでは非製造業が一貫して製造業を上回っています。

続いて製造業について、大企業と中小企業のDI推移の比較です。大企業と中小企業とでは、一貫してDI値は大企業>中小企業の関係にあります。

それでは、2018年~2025年の期間について、中小企業の各業種のDIをグラフに示します。9月と比較して製造業全体では変化なし、非製造業全体では若干改善され、全業種トータルも若干改善となりました。

個々の業種では、塗料需要と関係がありそうな業種を選んで図示しています。DI値が唯一マイナスだったのは鉄鋼ですが、それでも9月よりは7ポイント改善しました。トランプ関税の影響で9月調査ではDIがマイナスとなった自動車も今回はプラスに戻しました。今回調査では機械以外ここに挙げた全業種が、9月のDIから改善しています。

続いて非製造業です。

非製造業は、DI値がすべてプラスであり、9月のDI値を下回った業種はありませんでした。コロナ禍により長期間苦しんだ宿泊・飲食業も23年以降安定してプラスとなっています。
最後に2024年(3月調査~12月調査)と2025年(3月調査~12月調査)のDI平均値比較図を示します。

全般に2025年は2024年に比べてDI値が改善されています。2024年の方が良かった業種は自動車と宿泊・飲食の2業種だけでした。来年はさらにDIが改善されていくことを祈ります。