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かんとこうブログ

2025.12.23

中国からの訪日観光客数、11月も前年比増!?

12月17日に観光庁から11月の訪日観光客数の発表(概算値」下記URL))がありました。この発表を待っていたのは、言うまでもなく、11月7日の高市発言、それに続く11日の中国政府の日本渡航自粛勧告により、日本への中国人観光客が激減し、日本の観光地は閑古鳥が鳴くありさまであると盛んに報道されていたた、どのくらい減少したのか関心があったからです。

https://www.jnto.go.jp/statistics/data/visitors-statistics/

   

まずは観光庁の訪日外客統計報告書の1枚目にある要旨をご覧ください。

ん?と思われた方も多いかと思いますが、どこにも中国人観光客が減ったとは書かれていません。それどころか、11月の訪日客数が、前年比10.4%増となったと書かれています。さらに国別の訪日客数に関してのコメントでは中国に関して次のように書かれていました。

中国は、562,600人(前年同月比 3.0%増)であった。訪日需要が落ち着く時期であることに 加え、中国政府より日本への渡航を避けるよう注意喚起があった。前年の冬ダイヤ期首と比較して航空座席数が増加していたこと等の影響もあり、訪日外客数は前年同月を上回った。
   
実は前年比で3.0%増だったのです。私が見た限りテレビのニュースでこのことを伝えたものはありませんでした。激減した観光客、不安が募る土産物店や食堂といったものばかりが紹介されていたように思われます。
  
中国政府が渡航自粛勧告を出したのは11月11日で、その1週間後あたりから激減したとニュースで紹介されていましたので、11月の前半は減っていないか、、むしろ増えたいたかもしれません。がしかし後半は8割減ともいわれるほど激減していたのであれば、計算上はトータルで4割減になっていたとしても不思議ではないように思います。いずれにせよ現時点ではこれ以上わかりませんので、来月の統計数字を待つしかありません。
  
ご参考までに、訪日外客統計報告書を調べて2024年1月以降の訪日観光客数のデータがわかりましたので、以下にご紹介します。最初は訪日観光客全体の推移です。左が2024年1月から2025年11月までの推移、右がそれを年別に書き直したものです。
   
  
訪日観光客自体は増加傾向にあり、2025年は過去最高を記録することは確定で初の累計4000万人越えとなることも確定です。また右図で示すように2025年各月はすべて2024年を上回りました。
  
同様に中国からの訪日観光客について、2つのグラフを描いてみました。
   
  
2025年は8月で過去最高の100万人超えを記録したあと9月10月11月と3カ月連続で減少していますが、これは万博の影響もあるのではないかとも思われます。また、右図で11月でさえ辛うじて前年超えですので、中国政府の渡航自粛勧告の影響については、12月の統計にどう表れるか注目していきたいと思います。
  
最後に、訪日観光客数が多い国の2024年1月以降の推移を示します。左図と右図は縦軸を合わせてあります。
   
  
訪日観光客数トップは韓国です。ついで中国、台湾とここまでが年間で500万人を超えます。続いてアメリカ、香港、欧州(英、仏、独、伊、西の5か国の合計)の順になります。
   
2024年1月以降2025年までの累計による国・地域別の内訳は下図のようになります。中国からは20.7%、香港も加えると27.5%を占めます。少なからぬ割合ですが、今年の総累計予想4300万人から中国と香港の予想総数を差し引いても残りは3000万人強になります。わずか2年前の2023年の累計総数が25000万人でしたので、それは優に上回ります。いずれにせよテレビのニュースで報道されているほどには、訪日客は激減していないのではないかという印象を持ちます。今後の統計に注目したいと思います。
   

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