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かんとこうブログ

2025.12.25

今年更新された陸上競技の日本記録

昨年に続き、今年更新された陸上競技の日本記録についてご紹介したいと思います。

今年はまだ記憶が新しい世界選手権日本開催がありました。その世界選手権で日本記録が4つ更新されました。実はこうした世界選手権のような大きな大会で日本記録が更新されるのはそうあることではありません。現在の日本記録のういち、これまでのオリンピックまたは世界選手権で更新された日本記録はリレーを除くと男子400Mハードル(為末大選手)と女子1500m(田中希美選手)の二つしかありません。今回の世界選手権東京大会では男子400m、女子3000m障害、女子20Km競歩、男女混合4X400mリレーの4つの日本新記録が生まれました。地元開催というアドバンテージはあったにせよ称賛されるべきことと思います。前置きが長くなりましたが、今年更新された日本記録の一覧表をご覧ください。

参考までに右端に世界陸連が定めている各記録の得点を書いておきました。これは全競技について規定されており、それぞれの記録の水準が比較できるようになっています。得点が高い方がレベルが高いことを示しています。因みにこれらの中で世界選手権で入賞した中島選手、村竹選手、三浦選手、藤井選手の日本記録はいずれも1200点を超えており、このあたりが世界で戦える目安と見てよいのではないかと思います。

それではひとつずつ簡単にコメントします。

男子400mの中島選手、世界陸上での見事な走りは記憶に新しいところですが、これまで実力がありながら、なかなか44秒台に突入できずにいましたが、一転して300mまでは抑えて走り最後の直線で追い上げる走りに徹した結果、記録も順位もついてきました。400mでの世界選手権入賞は、1991年の高野進さん以来34年ぶりの快挙でした。

男子110MHの村竹選手も見事に入賞しましたが、大会直前に出した大記録のために、金メダル候補と騒がれ大きなプレッシャーの中でのレースでした。決勝直後のインタビューでの「何がたりなかったんだろう」は、見ていて涙がでました。まだ上を目指して頑張ってくれるそうですので、さらなる活躍を期待したいと思います。

3000M障害の三浦選手も大会2カ月前に日本記録を更新し、金メダル候補と騒がれました。大会のレースでも最後の直線までメダルの可能性がありましたが、接触等でメダルは叶いませんでした。レース後のインタビューで言い訳しない潔さに好感がもてました。まだまだ上を目指してほしいと思います。

男子円盤投げの湯上選手も記録更新は、従来の記録を2m近く更新し、再び日本記録保持者に帰り咲いたものでした。よく知られているように、湯上選手は聴覚障碍者であり、11月のデフリンピックでも金メダルを獲得しました。今年の二つの快挙を称えたいと思います。

マラソンの大迫選手の記録更新は全く予想していませんでした。自身3度目の日本記録更新でしたが、年齢的にみてもここまで競技力を維持していることは、驚き以外の何物でもありません。これを機会に他の多くのマラソン選手が、この先へ進んでほしいと思っています。

20Km競歩の山西選手。ドーハ、オレゴンの世界選手権二連覇の金メダリストですが、このところ世界選手権、オリンピックで力を発揮できていません。ただし、この日本記録は世界記録であり、オリンピック等で実施される種目としては現在唯一の日本選手が保持する世界記録です。今回の苦い経験を糧にして、今後飛躍されることを期待したいと思います。

女子200mの井戸アビゲイル風果選手。これまで主として200m・400mを走っていましたが、今シーズンは100mでも日本選手権を制し、スプリントに磨きをかけていた中での日本記録更新でした。まだまだ伸び盛りだと思いますので、松本選手、フロレスアリエ選手とともに、ロングスプリントだけでなく短距離全般で活躍し記録を塗り替えていってほしいと思います。

女子800mの久保凛選手は2年連続の日本記録更新でした。潜在能力はこんなものではないと思いますので、飛躍的な記録短縮を期待しています。

女子3000m障害の斎藤選手。個人的には今年の中では最も価値ある日本記録更新だったと思っています。理由は世界選手権で大幅に自己記録を更新ばかりでなく、更新した記録が2008年の早狩選手の17年前の記録だったからです。今後に期待します。

女子20Km競歩の藤井選手も世界選手権での記録更新は見事でした。女子競歩界を牽引して行ってほしいと思っています。

男女混合4X400mリレーですが、予選での走りは見事でした。決勝ではまだまだ世界とは差があるように感じました。男女とももっとトップ選手の層が厚くなり切磋琢磨の中で記録が向上することを期待します。

最後に「長い間更新されていない日本記録」を男女5つずつご紹介します。このうち9つは昨年と変わらずで、未更新期間がそれぞれ1年ずつ伸びました。唯一更新されたのが、上でご紹介した女子3000m障害の早狩さんの2008年の記録でした。これに代わり今年は、2011年の400mハードル久保倉さんの記録が載っています。これらの中でも最も古い記録は男子三段跳びの山下選手の来年で40年前の記録となります。

これらの種目に関して、今年は男子200mの鵜沢選手、男子やり投げの崎山選手が現日本記録に肉薄しました。女子走り高跳びの高橋選手も久しぶりに1m90を超えました。フロレス選手はすでに日本記録を更新した実績があります。更新の可能性のある選手は少なくないように思います。来年はこの中でひとつでもふたつでも更新されることを期待しています。

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