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かんとこうブログ

2026.03.13

「2024年度塗料からのVOC排出実態推計のまとめ」からわかること その2

昨日の続きです。今日は需要分野別に使用されている塗料出荷量の変遷を見ていきたいと思います。

最初は建物です。出荷量の多い順に10種類の塗料の2017年以降の推移を示しています。ただし、毎年ではなく途中の2018年、2019年、2021年、2022年はデータを入れていません。全体的に出荷量が減少したものが多くなっています。増加傾向にあるのは、建物3のグラフの水性樹脂塗料だけでした。

続いて建築資材です。建築資材では、増加と減少がはっきりと分かれており、エマルション塗料、ウレタン樹脂塗料が減少、水性樹脂、アミノアルキド樹脂塗料、その他塗料、エポキシ樹脂塗料が増加しました。結果、排出VOCも増加傾向にあります。

続いて構造物です。減少する塗料が多い中で、エポキシ樹脂ハイソリッド、アルキド樹脂錆止め塗料、シリコン樹脂・フッ素塗料が増加傾向にありました。

続いて船舶です。ここも減少する塗料が多い中で、船底塗料ハイソリッド、シリコン樹脂・フッ素塗料、その他溶剤塗料が増加傾向にあります。

自動車新車用です。昨日述べたようにこの間自動車新車用の塗料の単位重量当たりVOC排出量はこの間ほぼ一定でした。多くの塗料が明確な増加、減少傾向を示さない中で、アクリル樹脂塗料(焼付)、アミノアルキド樹脂塗料が減少傾向でした。

自動車補修用塗料では、多くが減少傾向にある中でエマルション塗料が増加傾向にあると判断されました。

電気機械です。ここでも多くが減少傾向ですが、水性樹脂塗料、エマルション塗料、シリコン樹脂・フッ素塗料が増加傾向でした。

機械です。機械用は数量がほぼ一定となっており、増加傾向にある塗料が他分野よりも多くありました。アミノアルキド樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、水性樹脂塗料、エマルション塗料、アクリル樹脂塗料(焼付)、その他塗料が増加傾向でした。

金属製品です。金属製品も機械同様このところ塗料出荷量が一定で推移し減少していませんので、他の分野より多くの増加傾向の塗料がありました。水性樹脂塗料、アクリル樹脂塗料(焼付)、エマルション塗料、アルキド樹脂錆止めペイント、ラッカー、粉体塗料が増加傾向にありました。

木工製品です。ここでも全般的に減少傾向の中で、エマルション塗料が増加傾向にありました。

家庭用です。家庭用塗料も全般的に減少傾向ですが、その他塗料が増加傾向にありました。

路面標示塗料です。この分野で出荷数量のほとんどがトラフィックペイントですが、その数量は減少傾向でした。

最後はその他塗料です。この分野(分類)ですが、基本的には減少傾向の中でアミノアルキド樹脂塗料、水性樹脂塗料が増加傾向でした。

これまで見てきた各需要分野における各種塗料の増減傾向を一覧表に示します。+:増加、+/-:増減なし、-:減少です。

なかなか明確な傾向は認められませんが、電機機械、機械、金属製品、木工製品といった工業分野では共通して水性樹脂塗料、エマルション塗料が増加しています。一方で水性化が比較的進んでいる自動車新車、建物、建築資材といった分野では水性樹脂塗料やエマルション塗料が明確な増加を示していませんでした。やはり、ある程度VOC削減が進むと、どこかで頭打ちになる傾向があるのではないかと心配しています。

これから2050年カーボンニュートラルにむけては、次第にVOCは排出することが許さなくなっていくと思われます。いかに排出VOCを減少させるか、これこそが塗料業界にとってすぐに取り組むべき最重要な課題ではないでしょうか?

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