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かんとこうブログ

2026.04.06

赤沢大臣から「塗料用シンナーの供給不安」という言葉がでましたが・・・

今や、「かつてないほどの供給不安」ともいうべきイラン情勢不安による溶剤をはじめとした塗料の原材料不安ですが、4月3日の午前8時38分から行われた赤沢大臣の記者会見において、重要物資の供給状況の実態把握や課題解決に向けた取り組みの報告をうけたとし、その具体例のひとつとして塗料用シンナーの供給不安についての言及がありました。経済産業省のホームページ(下記接続先)から関係する一部を引用します。

赤澤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要 (METI/経済産業省)

第1回中東情勢に伴う重要物資の安定的な供給確保のためのタスクフォース

Q:昨日、重要物資の安定供給タスクフォースが行われましたけれども、改めてそこで具体的にどういうふうな議論があったのか踏み込んでお聞かせいただきたいのと、それに関連して、ナフサはこれまで在庫4か月という話もありますが、今の現状とこれから先の調達の見通しをお聞かせいただければと思います。

A:昨日4月2日の木曜日ということになりますが、「第1回中東情勢に伴う重要物資の安定的な供給確保のためのタスクフォース」を開催いたしました。重要物資の供給状況の総点検の作業を開始したということになります。各省からは、実態把握や供給上の課題解決に向けた取組の状況について報告を受けました。具体的な事例として、まず3つ申し上げると、小児用カテーテルの滅菌用A重油、九州地方の路線バス用の軽油、医療用器具の滅菌に必要な酸化エチレンガスなどについて、既に対応して供給が確保できたとの報告を受けました。また、取組の状況については、塗料用シンナーの供給不安、これは川上の石油化学企業では国内供給が継続しており、川中のどこで目詰まりが発生しているか特定すべく事実関係を確認しているところです。それから、魚のかんぱちの海上輸送用の特殊燃料の不足により稚魚の輸入が遅延すると大きくなってしまうということです。共通認識にしておきたいのは、30センチまでの稚魚の輸入は無税なのですけれども、それが31センチになってしまうということなので。大きくなったとしても4月中旬までに関税の特例措置を講じる、50センチまでは無税といったようなことを考えて。具体的な数字はこれから制度設計だと思うので、私が今申し上げてよかったのかどうか、イメージを共有できるように魚が大きくなっても無税のままで輸入できるようにという措置を講じると。数字はちょっと聞いて忘れてください。自治体の廃棄物処理について、現時点で深刻な支障は生じていませんが、環境省が相談窓口を設置したとの報告を受けています。それから、御質問のあった原油に加えてナフサですけれども、含む石油製品については、備蓄の放出や代替調達により「日本全体として必要となる量」を確保しております。ナフサについても、石油化学各社が、米国を始めとするナフサの代替調達に取り組んでおりますし、川下在庫の活用、国内での精製と合わせて、化学品全体の国内需要4か月分を確保しております。他方で、足元では、供給の偏りや流通の目詰まりが生じているとの認識のもと、タスクフォースで関係省庁が連携し、医療・物流・農業を含め分野横断でサプライチェーンの情報を集約し、国民生活や経済活動に支障が生じないよう、他の流通経路からの融通支援をきめ細かく実施していこうとしております。

引用終わり

この記事の中で、例としてあげていただいた()は業界にとっては大変うれしいのですが、石油化学企業で生産を継続しているからという理由だけでは、残念ながらナフサ不足への不安はぬぐえません。

のナフサについての言及ですが、米国をはじめとするナフサの代替調達および川下在庫の活用、国内の精製と合わせて、化学品全体で国内需要4カ月を確保とされていますが、これが果たして塗料業界の溶剤不足が解消されるのかについても不安がぬぐえません。

アメリカなど中東以外からのナフサ調達については、「4月に通常の2倍の90万KL(増加分は45万KL)を調達した」と報道されてはいるものの、このナフサ輸入量では量的には中東からの輸入分を賄うには全く足りません。下表をご参照ください。中東から輸入しているナフサは、一カ月に100万KL以上あると推定されますので、45万KLの増加だけでは不足してしまいます。

また②の中での「化学品全体の国内需要4か月分を確保」という内容が、木原官房長官の3月30日の発言「石油化学各社が保有するナフサ原料製品の在庫が国内需要の2か月分、米国・南米からの輸入と国内精製でさらに2か月分を確保できる見通し」という内容を指しているのであれば、最初の在庫の2カ月分、残りの米国、南米、国内精製での2カ月分については以下のような指摘があります。この指摘が正しいとすれば、ナフサそのものの在庫はないに等しいことになりますし、さらに中東以外からの代替輸入も予定ではなくまだ確定されたものではないことになります。

つまり現在の溶剤不足は流通の目詰まりが主原因ではなく、本当にモノがないことによるものではないのかという懸念です。たとえ十分な量の備蓄原油が放出されたとしても、通常の原油精製工程のみではナフサ不足が解消されないことは明らかです。しかも塗料用溶剤はナフサの重要用途先ではありません。このままではこの先も塗料用溶剤が十分供給されるようにならない可能性が高いのです。

この記事によれば、どうやらナフサそのものの在庫は国内にはないようです。やはり中東以外から十分な量のナフサを調達してくるか、イランと交渉してホルムズ海峡を通してもらい中東ナフサを輸入する以外には、この先十分な量の塗料用溶剤が確保できる可能性は低いように思えます。

さらに、今直ちにホルムズ海峡が通過できるようになったとしても、原油やナフサが中東から日本に到着するのは早くても30日はかかるでしょう。そこから溶剤となって市場に出回るまでにはさらに日数がかかります。これからしばらくの間どうやって凌げばよいのか・・大変厳しい事態が予想されます。

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