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かんとこうブログ

2020.06.10

セザンヌのパレット その1

 

「セザンヌのパレット」を再現してみました。と言っても何から何まで忠実にというわけではなく、様々な情報からセザンヌが使用していたと考えられる絵の具(正確には色または顔料)を特定し、現在でも入手できる絵の具をパレットに広げ写真に収めたということです。これまで、「フェルメールの青」をはじめ色彩に関わることを書いてきましたが、基本的にはネット情報の集成でした。今回は、はじめて自前のオリジナル情報と呼べるものを作ってみたというわけです。

と言っても、実は「セザンヌのパレット」なるネット情報は、すでにいくつか存在しています。いつも情報提供してもらっている元関西ペイントの中畑さんから、某画材メーカーのホームページに、かつて「セザンヌのパレット」なる幻のコーナーが存在しており、当時セザンヌが使用していた(であろう)色の絵の具がパレットに展開されているイメージ図があったと聞いていました。また今回調べてもらってわかったことですが、海外には「セザンヌのパレット」というそのものずばりの名前のサイトがあり、当時の絵の具についてとても詳しい情報が掲載されているのです。それにもかかわらず、どうして自前でパレットを再現することになったかも含め話を進めていきます。

まず、セザンヌについてですが、セザンヌの名前を聞いたことがない人はいないと思います。セザンヌは「近代絵画の父」と呼ばれる偉大な画家であり、その作品は多くの画家たちに影響を与えています。以下salvastyle.comのサイトから引用で簡単に紹介します。

http://www.salvastyle.com/menu_impressionism/cezanne.html

ポール・セザンヌ Paul Cézanne 1839-1906 | フランス | 後期印象派

「近代絵画の父と呼ばれ、20世紀絵画の扉を開いた後期印象派を代表する画家。多角的な視点の採用、対象の内面に迫る心情性に富んだ形体・色彩の表現、単純化された堅牢な造形性など印象主義的なアプローチとは異なる、独自性に溢れた革新的な表現方法によって絵画を制作。長く正当な評価を得ることはできなかったものの、自然などのモティーフを前にしたときの感覚を重要視した表現は、数多く生まれた世紀末~20世紀初頭の絵画様式、特にパブロ・ピカソやジョルジュ・ブラックによって提唱・創設されたキュビスムの形成に多大な影響を与えた。」

箱根のポーラ美術館にもセザンヌの絵が収蔵されていますが、その中でも代表的な「砂糖壺と梨とテーブルクロス」の写真をご覧ください。


砂糖壺、梨とテーブルクロス ポール・セザンヌ 1893-1894 
ポーラ美術館蔵 2020年6月7日撮影

「ここにはそれまでの絵画にみられるような確固とした土台の上に積み上げられ、固定された構図はない。左端の山のように盛り上がる布によって斜面が強調された机―実際は水平なのだろうが―の上で、果物は皿から転がり落ちている。画面中央では、存在感を放つ砂糖壺が傾斜した机の支点を押さえ込むことで均衡をはかっている。果物は画面からこぼれ落ちそうな危うさを残しながら、重力に従うのではなく計算された構図によって、かろうじてその場所にとどまっている。本作品は、絵画が目に見える世界の忠実な再現ではなく、人工的な構築物であることを思い起こさせる。(『ピカソ 5つのテーマ』図録、2006)」

要約すれば、ありのままを描くのではなく、構成する個々のものを一旦バラバラにした上で、もう一度頭の中で組み立てた構築物として描いたものであり、計算しつくされた絶妙のバランスの上でのみ成り立っている奇妙な安定ということになるのでしょうか?しかしこの手法こそが、当時の画家たちに衝撃を与え、嫉妬と憧れを抱かせ大きな影響を及ぼしたようです。そしてこのことを知ったとときから、セザンヌは特別な画家であると頭の中にインプットされており、ブログを始めたときから、いつかセザンヌについて書きたいと思っていました。

セザンヌについて書くにあたり、最初は安易な道を選びました。冒頭に書いた幻のセザンヌコーナーを設けていた某画材メーカーに、引用させてもらいたい旨メールでお願いしたのです。ところが、「当該コーナー復活の予定はなし、第三者が引用することは断じて不可である」とにべもなく断られてしまいました。あんまり断られ方がにべもなかったので、それならこの偉大な画家のパレットを自分が再現してやろうじゃないかと思った次第です。

今日はすでに説明が長くなってしまいました。ここから先は明日掲載します。とはいえ、それではここまで読んでいただいた方々に申し訳がないので、パレットの写真だけお見せすることにします。説明は明日までお待ちください。

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