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かんとこうブログ

2021.06.22

日塗工業況観測アンケート5月の結果・・・前々同月比大幅増なれど、前々年同月比は100に達せず

しばらくサーバー更新のためお休みしていましたが、今日から再開します。

6月18日に日塗工業況観測アンケート5月の結果が発表になりました。この業況観測アンケートの結果は、経産省の統計数値よりも早く発表され、しかも需要分野別の数値が得られるため貴重な情報です。ただし、発表されるのは前年同月比とアンケートの集計結果で、具体的な数量までは発表されません。平常時では、前年同月比が判ればおおよその動向は判断できるのですが、今回のコロナ禍のような非常事態では、前年同月比という数字では動向の正しい把握が困難になってきます。具体的には、タイトルに書いた通り、前年度月比%は100を大幅に超えているのに、前々年同月比は100に達しないという現象です。先月以来この傾向が顕著になってきましたので、今日はそのあたりを中心にご紹介することにします。

まずは、5月の需要分野別の前年同月比(金額)の一覧表からです。一番下の行だけ、前々年同月比です。

5月の前年同月比は、各分野とも船舶・構造物を除き100を大きく上回っていますが、前年前同月比はいずれも100届きません。この理由は言うまでもなく、前年同月である2020年が、コロナ禍により最も需要が落ち込んだ時期であったからです。したがって今年の5月の需要は、昨年と比べれば大幅増だが、一昨年と比べればまだまだ少ないということになります。

この状況は、コロナ禍が本格化し需要が大きく落ちこみ始めた昨年の3月以降を前年同月の基準とするここしばらくの期間継続すると思われます。上の表を細かく見ていただければわかりますが、2020年ではまずまずの需要に回復するには約半年を要しています。

話は横道にそれますが、上の表で全体の前年同月比が、100を超えているのは、2021年の3月以降です。表は20204月からしかありませんが、その前を見ていくと前年同月比が100を超えていたのは、20199月、消費税が8%から10%に引き上げられる直前までさかのぼらなければなりません。しかも冒頭からご紹介しているように、3月以降の前年同月比は、昨年の需要がおちこんだために大きくなった数値であり、前々年を下回る数値にすぎません。ということは、需要の低迷は消費増税以来、1年半以上続いているのだということです。

下の図は、昨年4月以降について需要分野別の前年比と前々年比について示したものです。

各グラフとも、左端から中央までは前年同月比も前々年同月比も比較的よく一致しています。一方、右端の赤枠で囲ったのが今年の3月以降で、前年比と前々年比の乖離が激しくなっていることがわかります。つまり、前年同月比の基準となる時期がコロナ禍の影響を受け始めたのが今年の3月以降であるということを示しています。したがってここから言えることは、しばらくは前年同月比だけでなく、前々年同月比についてもあわせてみていく必要があるということです。

それでは、こうした状況はどの程度続くのでしょうか?上の表の数値によれば、前年同月比が、
95を超えるまでに快復したのは、202010月でした。最低そこまでは、前年比だけでなく前々年比を見ていくべきでしょうし、その後の第2次緊急事態宣言に伴う経済の停滞、さらには第3次緊急事態宣言まで考慮すれば、ここ23年は、前年比だけでは動向を把握できない期間が続くのではないかと思います。

最後に、これまで続けてきたリーマンショック時とコロナ禍における需要動向(前年同月比)の推移のグラフをご覧ください。

先月までは、リーマン時の経過について16か月後までしか表記していませんでしたが、もう半年延長しました。理由は、リーマン時も、今回と同様な前年同期比の問題が起きていたからです。最もそのことがわかりやすい自動車分野で説明します。リーマン時も今回のコロナ禍と同じように、リーマンブラザースの破綻の5か月後が最も需要が落ち込みました。ところが、12カ月以降は急速に回復し17カ月後に前年同期比はピークを迎えます。このピークを迎えた17か月後において、前年同期比の基準となったのは最も需要の落ち込んだ5か月後の数値であったということです。
上のグラフを見ていただくと、リーマン時とコロナ禍の前年同月比の推移は類似していると言って良いと思います。とすれば、この先しばらくの需要動向としては、大きな前年同月比の数値は続くものの、それは見かけの数値であり、実態としては平年比を下回る程度に過ぎないということになるのではないかと思われます。その理由は簡潔に言えば、まだコロナは全く収束に至る状況にはないということに尽きます。

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