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かんとこうブログ

2021.07.05

週末の人出と実効再生産数

週末の人出と実効再生産数の最新値をお知らせしたいと思います。

週末の午後3時台の人出は、いつものようにアグープのデータをもとに、東京都の18か所の平均と埼玉・千葉・神奈川の3県の12か所の平均について、感染前の2020年1-2月の人出を100とした数値の推移を示します。

202011月末からの推移を載せていますが、色付けをした枠は緊急事態宣言中の期間を示しています。このグラフを要約すると、休日の人出は、緊急事態宣言発出直後に大きく下がり、そのごじわじわと上昇する。東京都も3県もこの期間中すべて、人出は感染前を下回っている。東京都の人出は3県よりも、常に10-30%程度高い数値となっている。

「緊急事態宣言を出せば、人出は減るんですか?」と居直った大臣がいましたが、このグラフを見る限り緊急事態宣言をだせば下がります。しかし、その後はジワジワと増加してもとに戻ってしまうことも事実です。

次に実効再生産数の推移です。東京都の感染者数から計算していますので、最新の値は620日までとなっています。

青線が日々の実効再生産数、赤線がその7日間の移動平均です。緊急事態宣言が出されてしばらくは、実効再生産数は1.0を下回っていますが、その後ジワジワと上昇しこの期間中2回の緊急事態宣言とも、11.5か月で1.0を超えてしまっています。実効再生産数と上の人出を比べてみると、両者は連動してしいるように見えますのでグラフにしてみると同時に相関係数を計算してみました。

左のグラフで、人出%は左の目盛りを、実効再生産数は右の目盛りを見てください。黄色い線は、実効再生産数が1.0の線です。非常に乱暴に要約すると、人出が60%以下になれば実効再生産数は下がり、人出が60%以上になれば増加に転じるというようにも見えます。

右の図は、人出%と実効再生産数の散布図です。ここから計算されるR2乗は0.4弱であり、決して明確な相関性とは言えませんが、理論的に人流と感染拡大は関係があるとされていますので、こうした数値的な関係性の追跡は続けるべきだと思います。菅政権では、対策を講じる際にこうした数値的な裏付けとなる資料が示されないことが多く、また過去の対策の結果人流がどう変化したかなども全く触れられることがないので、そうしたことを大変残念に思っています。

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