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かんとこうブログ

2021.09.18

世界各国におけるワクチンの効果の検証

 

少し時間があったので、世界各国におけるワクチンの効果を簡単に検証してみたいと思いました。ワクチンの効果と言えば、①感染者予防、②重症化予防、③死亡者の低減の3つが考えられますが、このうち①と③は、現時点のワクチン接種率、最近の感染者数、最近の死亡者数、累積の感染者数、累積の死亡者数があればなんとか判断できそうだと考えました。これらのデータは札幌医科大学のサイトから容易に数値を得ることができるからです。

上述の数値をまとめたものを下に示します。


札幌医科大学コロナ特設サイト 2021年9月15日現在

単純に考えれば、ワクチンが感染予防、死亡者低減に効果があるのであれば、最近7日間の感染者数、死亡者数はワクチン接種率に反比例するのではないかということになります。実際にはどうでしょうか?

ワクチン接種率(2回)と新規感染者数、死亡者数はいずれもあまり関係がなさそうだと示されてしまいました。新規感染者数で言えば、アメリカ、イギリス、トルコの3か国が高い接種率にも拘わらず、高い感染率(=人口100万人あたりの感染者数)を示しています。無理に描いた近似線の傾きもプラスとなりました。これでは、接種率が高いほど感染者が多いということになります。

死亡者についても似たり寄ったりでワクチン接種についての顕著な効果は見えません。そこで、なんとか効果につながるものを求めてグラフをさらに二つ描いてみました。

左が最近7日間の感染者数と死亡者数の関係です。ここでも興味を引く事実は見えてこないように見えますが、似たような感染者数であるアメリカとイギリスについて見ると死亡者数で大きな差異がありました。そこで死亡者の感染者数に対する割合(=死亡者数÷感染者数)をプロットしてみました。それが右の図です。

この図のポイントは、接種率が50%を超えた国では、総じて死亡者の割合が低いことです。これは、これらの国では感染者の中で重症化する人の割合が低いことを間接的に証明しているのではないかと思います。翻って、ワクチンがそこそこ接種されているのに死亡者の多い国をみると、それぞれに少し訳ありの印象を受けます。それは接種されているワクチンの種類です。有効性が低いと言われている国では接種率が高くても感染爆発がおきることはチリが証明しています。Our world in Dataにおいては、国別のワクチン種のシェアが掲載されているのですが、残念ながら上図で国名をグラフに書き込んだ国で接種されているワクチンのデータはありませんでした。

ここまでで、ワクチン接種による予防効果について結論づけるのであれば、感染そのものは効果なし、ただし死亡者は少なくなっているので重症化については効果がありとなります。これは、これまで報道されていることと概ね一致すると思います。

それではもう一つの方向から感染者、死亡者への効果を見ることにします。それは累積と最近7日間の数値の比較です。累積のデータには、ワクチンがまだなかったころからワクチン接種が進んだ現在までのデータがすべて含まれています。一方最近7日間のデータは、現在の進んだワクチン接種の恩恵を受けているはずです。

と言いつつデータを眺めると感染者数、死亡者数とも時間尺を合わせてしまうといずれも累積の方が数値が小さくなってしまうことがわかりました。やはり変異種の影響は大きいようです。死亡者数/感染者数の比率について累積と最近7日間の関係をグラフ化してみました。

意外なことに、かなりの国で、感染者中の死亡者の割合が最近7日間の方が累積よりも高いのです。これを散布図にしてみました。


本来であれば、この散布図では、感染者中の死亡者の割合がワクチン接種によって改善されてY=Xの線よりも上にプロットされなければなりません。日本をはじめ欧米ではみなそのようになっています。しかしながら図中に国名を記した国ではむしろ逆になっています。つまり最近の方が感染者中の死亡者の割合が高いのです。これを説明しようとすれば、ワクチン接種率が低い、あるいは摂取したワクチンの有効性が低い場合には、最近の感染の主流となっているデルタ株やミュー株などの変異種によってむしろ死亡者の割合が増加する傾向にあるということになります。

以上世界の国々の感染者数と死亡者数からワクチンの効果を検証してみました。推定の域をでませんが、「現在までのワクチン接種率であれば感染防止は難しいが、死亡に繋がる重症化防止には効果があると言える。ただし、この場合のワクチンは、欧米等で使用されているファイザー、モデルナ、アストラゼネカに限定されるべきかもしれない。」というのが私の結論です。日本では、ワクチン2回接種者の感染率は決して高くありませんが、それはやはりマスクや手洗いなどの意識の高さによるものが大きいと思われます。引き続き感染防止のために必要なことは継続していくべきでし

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