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かんとこうブログ

2021.10.27

中国におけるNIPSEA事業のQ&A

1020日に日本ペイントホールディングスから先日行われたNIPSEA事業説明会のQ&A内容が発表されました。かなり具体的に現在の状況が説明されており、中国の汎用についての情報に疎い私にとっては大変興味深い内容でした。おそらく大半の日本の塗料関係者は、中国の建築塗料の商売には直接携わっていないものと思われますが、国別では世界最大の塗料市場である中国の市場状況とその市場で間違いなくトップの一角を占めているに違いない会社の戦略は、なにがしかの参考になるのではないかと思います。QAの中から私なりにまとめてみた内容をご紹介します。全文は下記URLよりご覧いただけます。

https://www.nipponpaint-holdings.com/assets/files/name/20211026ir01_j.pdf

まず、中国市場の概況です。

最初に塗料はGDPよりも高い成長率で成長できるとしています。これは一人あたりのGDPが低い間は、個人消費の成長に加えインフラ整備の需要も見込まれるという意味かと解釈しました。そしてそのGDP成長率においては、アジアが世界最速であり、NIPSEAはそうしたアジアに基盤を置いているため高成長を見込めるとの認識を示しています。

現時点での中国の塗料消費の現状は世界平均の1/3にすぎませんが、この差はどんどん縮まるとの認識です。一方で都市化は依然として早いスピードで進展しており、今後ますます都市化が進むようです。そうした都市において、大都市はかつての新築中心からリノベーションへ需要が移ってきているとしています。この理由については、かつて建設されたビルが老朽化を迎えており、としていますが、このほかに新しいビルにおいて、特に外壁では塗料が使用される部位が減少しているのではないかと想像しています。ただし中小都市は依然として新築中心であるとのことでした。

そうした中国市場でのNIPSEAの立ち位置と戦略についてはかなり詳しく説明されていました。基本の考え方が市場成長を上回る高成長を果たすというもので、リーディングポジションを死守するための必要十分条件と思われます。

DIYについては圧倒的なシェアに満足せず、伸びしろの大きなこの分野に自動調色機を大量投入するとのことでした。これは、買いに来た人がその場で色見本帳の中から選んだ色をその場で調色して販売するという、いわゆる店頭調色販売を拡大するということです。この方式は初期投資こそかかりますが、塗料メーカーにとってもメリットのある方法です。そのメリットとは、第1に販売単価が高く設定できることです。その場で自分の好みの色を作ってもらえるので購買者は多少の価格差を問題としません。第2に店頭在庫量を低減できます。店頭調色の場合には、ベース塗料(白、淡彩、濃彩、艶消しなど)を3-4種類だけ持っていれば、あとは調色用の十数色のカラーぺーストだけで賄えますので、生産、配送、在庫管理が容易になります。日本でこそ普及していませんが、DIYまたはBIY(Buy it yourself)の多い国では普通に行われています。自動調色機1セットの価格は決して安くありませんが、長期的に見て投資効果は十分にあるとみているのでしょう。

Evergrande社の信用不安から生じた中国の不動産バブル崩壊への懸念についても言及しており、同社の売掛金はグループ全体の1%以下に過ぎないと説明しています。この日本ペイントグループが本当に世界中の日本ペイントグループ全社指すのであれば約10億円以下ということになり、確かに全体からみれば特に問題とならない程度の影響しかないということになります。

今期の見通しについても述べられていましたが、驚いたのは中国に52も工場があること、それだけでなくさらに4工場が建設中であることです。確かに中国における日本の塗料メーカー関係の生産数量が約400万トンであり、日本国内生産数量の3倍近くもあり、そのほとんどがNIPSEA中国でしょうから、それくらい工場があっても不思議ではないのですが、1工場あたりの生産数量が8万トン/年とこれまたかなり大きな数値であり、その全体の生産スケールの大きさに改めて驚かされます。

実はQ&Aには中国以外にもインドについての質問も掲載されていました。こちらについては、「インドで現在第5位の位置にあり、ここから上を目指すには大規模投資が必要となる。しかし投資の条件がそろっておらず、投資条件が整うまでNIPSEAに預けることとした」というような内容でした。このところのChromology買収についても深謀遠慮が見えます。インドについても2-3年後にはそうした深謀遠慮が開花するのではないかと密かに思っています。

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