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かんとこうブログ

2022.01.05

日銀の企業物価指数から原材料価格情報を調べる方法

皆様あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

昨年末に「世界経済のネタ帳」のデータをご紹介しましたが、実はあのデータの出典が日銀の企業物価指数になっていましたので、調べてみました。少しややこしいのですが、どうやって見ればよいかわかりましたのでご紹介します。

まず下記urlを開いてください。そうすると下図の画面が現れます。

https://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/index.htm/

画面右下の時系列データ検索サイトをクリックします。すると時系列統計データ検索サイト(下図)が開きます。

このページの下の方にある統計データ検索に移動し、統計データ検索の統計別検索を選び物価をクリックすると3つに展開するので、さらに製造部門別投入・産出物価係数をクリックします。

メニュー画面が現れるので、基準年度、投入または産出、産地別の順に選択していく。

次に産業の中分類、小分類が出てくるので、調べたいものをクリックして下の「抽出条件に追加」をクリックする。(下の左:ここでは酸化チタン、カーボンブラック、その他無機顔料、を選択)

次に抽出条件(抽出期間)をインプットする。(下の中)最後に抽出またはグラフを選択すると抽出の場合はCSVファイルでダウンロード可、グラフは画面に表示される。(下の右)

塗料用の原材料すべてというわけにはいきませんが、ある程度のものは価格動向を調べることができます。

最も実情に近い情報として取り出すには、もう少し調べる必要がありますが、とりあえず調べた結果をご紹介したいと思います。基準は2011年=100で、期間は2011年から11年間の推移です。

今回は長期的な傾向を把握するためにグラフ化なので、現在の傾向を把握するには不向きな期間設定かもしれませんが、大変興味深いことがいろいろあります。それは原油価格との関連性です。トルエン、キシレンなど石油系溶剤の価格が原油と連動するのは予想通りでした。またアルコールやスチレンもある程度連動するだろうと思っていたのですが、スチレンモノマーはほぼ原油価格に連動していました。またカーボンブラックもかなり原油価格に連動しています。また樹脂類は原油価格との連動は見られるものの、その幅は極めて小さくなっています。全く関連性がないと判断されるものは、酸化チタン、その他無機顔料、合成染料・有機顔料でした。最後の合成染料・有機顔料は、非常に価格水準が上がっており、特別な理由があると思われますので調査してみます。

一方産出側のデータも見てみましょう。

基本的には、原材料については、投入側も産出側も傾向数値ともほとんど一緒です。多少の違いはあっても大筋では投入側と一致していると見てよいと思います。唯一合成染料・有機顔料の価格水準が投入側に比べてかなり低いというのが気にかかるくらいです。

この産出側での注目は、塗料です。価格水準の変動はあるにはあるのですが、他の原材料に比べれば、変動はないと言って良いほど変化は小さくなっており、ほぼ100のレベルの横ばい状態となっています。

言ってみれば、塗料は原材料価格変動の緩衝材になっているとも言えそうです。

いずれにしてもこの数値は毎月更新しますので、しばらくは継続調査をしていきます。

本項につきましてご意見ご質問があれば、事務局までメールにてお知らせください。

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