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かんとこうブログ

2022.04.04

感染再び拡大傾向確定?

コロナの感染再拡大傾向が明らかになりました。全国の主な都道府県について実効再生産数の推移を示します。いつものように東洋経済オンラインからグラフを引用させてもらいました。すべての都道府県で、3月の最終週から実効再生産数が1.0を超えて感染は拡大傾向にあります。

https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

このグラフの表示範囲は直近の50日間です。縦軸は都道府県によって異なってるものの、すべての都道府県でほぼ水平線のような推移になっていますが、これはこの50日間大きな動きがなかったことを示しています。ただし、よく見ると右端がちょっと上を向いていることがわかります。2月中旬に1.0を下回ってからは減少がとまり、0.9から1.0の間を推移していたのですが、この1週間ですべて1.0を超えました。これからは再拡大に向かうことが憂慮されます。

この再拡大傾向が懸念される要因のひとつがBA.2と呼ばれるオミクロン株の亜種による感染の増加です。330日にアドバイザリーボードに提出資料(下記URL)中の国立感染研究所の予測データによれば、このBA.2種は、5月第1週には占有率が93%を超えるとの予測がなされています。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000922127.pdf

このBA.2は報道されているように、BA.1(これまでのオミクロン株)に比べて感染力が強いとされていますので、BA.2への置き換わりが進むことによる急拡大が大変に心配されます。となると、3回目ワクチン接種による感染抑止が期待されるのですが、実はこのアドバイザリーボード提出資料には長崎大学が他の研究機関と共同で実施した調査結果が掲載されていました。

上の図が掲載された次のページからその調査結果が載っているのですが、私には少し不可解な調査に思えました。以下に調査の概要を示します。

この調査は、11都府県14カ所の医療機関でPCR検査を受けた人が対象となっています。私が不可解に感じるのは、赤線部分の調査対象者が「新型コロナウイルス感染症を疑う症状で受診し、検査を受けた16歳以上の患者」のみである点です。つまり無症状の感染者は対象外である点です。感染の重症化を調べるのであればまだしも、感染抑止を調べる調査でPCR検査受験者だけが対象でよいのかということです。私は専門家ではありませんので、難しいことはわかりませんが、調査対象者は母集団全体を偏りなく代表するよう選ばれなければならないのではないかと考えています。望むらくは無作為抽出をした調査対象者であるべきだと思います。

ご参考までにこの調査の結果を書くと「2回接種完了の発症予防におけるワクチンの有効性は42.8% (95%信頼区間:23.657.1%)3回接種完了では68.7%(95%信頼区間:37.184.4%)と推定された。」となっており感染抑止について、3回目接種者には2回接種者よりさらに高い抑止効果が認められるようです。

しかしながら、同じアドバイザリーボードに提出された資料のうち、首相官邸ホームページに掲載されているワクチン接種歴別の感染者数のデータから接種歴別の感染率とその抑止率を計算すると(オッズとリスクの違いを考慮したとしても)もっと高い数値であり、このことは再三にわたりこのブログでご紹介してきた通りです。

とは言え、いくら抑止効果があってもブレークスルー感染がオミクロン株ではかなりの確率で起こっていたわけで、BA.2でもワクチン接種者といえどもさらに多くの人が感染する可能性があります。今のところ蔓延防止等重点措置も解除されたばかりで、特に行政から感染防止策が出される気配もありません。となると3回目接種を受けること以外では、個人でできる感染症対策をしっかりと行って自衛すること以外にはできることはありません。 塩野義製薬の経口薬はすでに量産体制に入っているははずですが、この薬の認可と指定感染症区分の変更でもされればまた話は異なるのでしょうが・・

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