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かんとこうブログ

2022.07.22

業況観測アンケート6月の調査結果は?

 

昨日日塗工より業況観測アンケート6月の調査結果を受領しました。組合員の皆様には、すでに結果をお送りしていますが、ここでもご紹介したいと思います。まず需要分野別の前年同期比について2021年5月~2022年6月までを一覧表で示します。


今月も自動車を除き前年同期比は100を超えました。しかい昨年の今頃は、第4波と第5波の間で必ずしも経済が回っていたわけではありませんので、コロナ禍前に戻ったという訳ではありません。このことに関しては後で説明します。

前々年同期比に至っては100を大きく超えていますが、これは明らかに、基準となる2020年6月が、第1波により大きな経済の落ち込みがあった時期であることに起因しており、平年比がどこにあるかの情報足り得ません。。

前月(5月)からの前年同期比の推移は建築外装が8.8ポイント、自動車が6.0ポイント、木工が4.4ポイントのダウン、船舶・構造物が4.7ポイント、電機・機械・金属が2.1ポイントのアップでした。

さて塗料業界の生産数量は、これまでと比べて今どのような位置にあるのでしょうか?これは日塗工の業況観測アンケートに塗料の純出荷(同業者向け出荷を除いた出荷数量)の12カ月の移動平均値の推移が載っています。

これを見ると、コロナ禍の影響により出荷数量がいまだに低迷していることが明確にわかります。指数ではなく実数なので疑問の余地がありません。

では需要分野別にはどうなのかというと、同じ日塗工の業況観測アンケートには以下のような図が載っています。

これらのその上の純出荷量のグラフと同じようにみてしまいがちですが、実は同じように見ることはできません。なぜならこの前年同月比はあくまで指数であり、実数ではないからです。具体例を挙げます。これらも需要分野別の前年同月比は2022年6月時点で船舶・構造物を除きおおよそ100付近にあります。100付近にあることの意味は、前年の同じ月とは同じくらいだというだけであり、その前の年やもっと前の年との関係はわかりません。しかしこうしたグラフを見ていると、需要動向としては、表示期間である2017年6月以降2022年6月までの期間において、2017年6月と2022年6月の需要は同じであるように錯覚してしまうのです。

先月から試みているのは、1月なら1月の前年同月比を累積していく方法です。これなら理論的には基準年を100とした現在の指数を得ることができます。しかしながらこの方法の難点はこのようにして計算していくと月ごとに傾向が一致しないということでした。今月も5月6月の2カ月間の前年同月比の累計を示します。


ここでは2014年の各月を100としています。このグラフでは毎年の前年同月比を掛け合わせていきますので、2022年の値が100を超えていれば2014年よりも出荷金額が多いことを示しています。5月については、全般に2020年から2022にかけて回復傾向が続いているものの自動車を除き、まだ2014年の水準には達していないということがわかります。6月については、自動車を除き回復傾向は継続しており、船舶・構造物、電機・機械・金属、木工が2014年の水準を上回ったことがわかります。

このように各月の前年同月比を掛け合わせていく方法では、現在が基準時点に比べて多いのか少ないのかを知ることができます。何度も書いていますが、前年同月比がよい指標でありえるための条件は、需要の増減が少なく、ほぼ一定である場合に限られます。今回のコロナ禍やリーマンショック時では前年同月比の解釈は気を付ける必要があります。特に大きく落ち込んだ年の翌年の前年同月比には注意が必要です。仮に前年に前年同月比が70まで落ち込んだ場合には、翌年の前年同月比が143まで戻って初めて元に戻ったことになるのですが、130でもとに戻ったと錯覚しがちだからです。

今回ご紹介した前年同月比の累積グラフも基準年が2014年でよいのかなどいろいろ問題はあると思いますが、上で述べたような理由でこうした見方も必要だと思っています。

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