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かんとこうブログ

2022.07.21

第7波において医療が逼迫する恐れはないのか?

毎日の感染者の数がいよいよ増えて、過去最高を上回るようになりました。政府は、特に行動制限を行う考えがないようですが、医療の逼迫は大丈夫なのでしょうか?これまでの感染拡大期と比較して第7波における医療逼迫の可能性を考えてみたいと思います。

これまでの毎日の感染者数の推移と死者の推移を示します。元データは厚生労働省ですが、それをNHKでデータベース化したものをダウンロードしてグラフ化しています。

毎日の新規感染者数については、先日尾身会長が「第6波の2倍程度にはなるであろう」と言っています。この通りとすれば、これまで最大だった第6波の2倍、すなわち最大で全国で1日20万人程度になることになります。

毎日の死者はというと、これも上の図から明らかなように第6波が最多でした。重症化率はBA.1もBA.5も同じとすると第7波では最大で600人/日を超える死者が出る可能性があると推定されます。

となるとやはり医療の逼迫が心配されます。入院を必要とする者等の推移、重症者の推移を上のグラフと同時期(2021年1月~2022年7月)で見てみましょう。

この図は厚生労働省のグラフをもとに切り貼りして作成しています。

入院治療等を要するもの等推移では、やはり過去最高は第6波であり、最多時には全国で80万人超えとなりました。第7波でも72万5000人まできており、このままいくと160万人超えとなる可能性があります。

一方重症者については、これまでの新規感染者数、死者数、入院治療等を要する者等、とは異なります。第6波よりも第5波(昨年7月~9月)の方がピーク時の重症者数が多いのです。思い出せば救急搬送できないという切迫したニュースが連日のように報じられていました。第5波のピーク時には2000人以上の重症者がいました。

実は医療の逼迫度は、ここまでの数字ではわかりません。病床使用率という概念が必要です。そこで過去に遡って用意された病床数と実際に入院していた感染者数、さらにはその中から重症者用に用意された病床数と重症者の入院数について調べてみました。毎週ごとのデータしかありませんので、第5波と第6波および直近として7月13日のデータの一覧表を示します。(データ元は厚生労働省、さきほどのURLから探せます)


確保した病床数と入院者の間には、どれをみてもギャップがあります。病床使用率を計算するとおそらく50%程度にしかならないのではないでしょうか?これはおかしくないでしょうか?想像するに確保した病床数の全数を使用できない・・医療スタッフの数が足りない、ということではないでしょうか?

またグラフで示した入院治療等を要する者等と実際の入院者の数には大きな乖離があります。この乖離は、入院治療等を要する者等のほとんどが自宅療養、またはホテル療養であったことを示していると考えられます。

具体的に数字で見てみましょう。第5波の入院者・重症者のピークは2021年9月1日~8日でした。この時の病床使用率は全体で61.1%、重症者用で53.3%でした。一方第6波の入院者・重症者のピークは2022年2月16日~23日で、この時の病床使用率は全体で56.7%、重症者用で35.8%でした。

第6波では第5波ほど医療が逼迫したという印象がありませんが、数字的にみても第5波の方が逼迫していたということになります。今回の第7波ですが、第6波と同じような割合で入院者、重症者の入院者が発生するとすれば、計算上は入院者は5万人、重症者は4250人程度となります。現在確保している病床数は、第6波の時よりも少ない数であり、第6波の2倍もの入院者や重症者を収容できるとは思えません。また病床数は増やせても医療スタッフは急に倍増できません。となれば第7波において医療の逼迫は不可避と思われます。

これが素人が集めたデータで考えた結論です。厚生労働省、政府の考えをお聞きしたいと思います。

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