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かんとこうブログ

2022.09.02

7月度自動車生産・・前年同月比プラスは増えたけれど

 8月30日に日本の自動車メーカーの7月度生産台数が発表になりましたので、その内容をご紹介します。各社の前年(2021年)同月比(左)、前々年(2020年)同月比(右)のグラフを示します。

前年同月比については、国内が7月度生産台数でマイナスとなったのはトヨタ、ホンダ、ダイハツの3社でした。また世界生産でマイナスとなったのはトヨタだけで、全般に順調な回復のように見えますが、右の前々年同月比と比べるとそうした判断ができないことが窺われす。前々年同月比の基準となる2020年は、コロナ禍の初年度であり、自動車生産は他産業にもまして大打撃を受けました。その2020年度に比べて国内生産、世界生産とも8社中4社がマイナスであることは、2022年が決して順調な回復ではなく、むしろ昨年の苦境の裏返しのように見えます。事実昨年の7月度生産台数前年同月比のグラフをみると今年の7月度とはかなり様相が異り、最悪だった2020年すら下回る会社も多く、2022年、2021年と2年続けて前年同月比がプラスとなったのは日産の国内、三菱の国内・世界、ダイハツの世界、スズキの世界しかありません。国内生産が2年連続プラスになった日産と三菱は、ともに日産グループであり、2020年は最も大きな打撃を受けたメーカーであり、国内の2年連続プラスも元をたどれば2020年の凋落が理由のようにも思えます。

継続して掲載している生産台数の推移を示します。今回注目していただきたいのは、グラフ中の点線です。これらは各年の平均生産台数を示しており特に注目してもらいたいのは紺色の2019年の月平均の位置です。以下、この紺色の点線に2022年の生産台数が届いているかどうかに注目してご覧ください。


これらの中で、2019年の月平均生産台数を回復していると明確に言えるのはトヨタの世界生産だけです。トヨタは国内生産台数においても2022年において2019年の月平均に接近したことはありましたが、平均としては全く届きません。日産、ホンダは国内、世界とも2019年の平均には遠く届いていません。


2022年に限ってみると国内・世界ともスバルの7月は2019年の月平均に近いところまできています。マツダ、三菱は2019年の月平均にはまだまだ及んでいません。

これまでの各メーカーに比べて、軽四輪主体2社はコロナ禍の中でも健闘してきており、ともに国内生産台数は2019年の月平均とさほど遜色がありません。ただし、世界生産となるとインドに大きな生産拠点をもつスズキの生産台数レベルの高さが際立ちます。2022年に限定してもスズキの好調ぶりは変わっていません。

以上、2019年の月平均生産台数と比較してみると、前年同月比の数値とは少し異なる様子が見て取れます。いずれにしても、日本の自動車製造業が2019年以前に水準に戻るにはまだ時間がかかりそうです。

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