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かんとこうブログ

2022.10.19

OECD COVID-19 復興ダッシュボード その2

今日は昨日の続きで、OECD COVID-19 復興ダッシュボードから「政府への信頼」「人生の満足度」「一人あたり二酸化炭素排出量」「再生可能エネルギー利用率」についてご紹介します。

最初は「国を信頼していると答えた人の割合」からご紹介します。調査期間は2007年から2021年です。

日本は時の政権を思い浮かべながら見ると興味深い推移になっています。日本の場合いずれの調査でも政府への信頼は男性の方が女性よりも高くなっていますが、東日本大震災のあった2011年までは低く、その後上昇し、比較的高い支持率を持続していましたが、消費税増税のあった2019年から低下しています。

ただし他国との比較といういみでは、全般的には政府への信頼が高いとは言えない結果となっています。次は「人生の満足度」に関する数値です。今回の統計資料の中で最も興味深かったものです。この調査期間も2007年から2021年です。

何が興味深いかというと日本の男女差がとても大きいことです。青が男性、赤が女性を示していますが、日本は一貫して「人生への満足度が低い人」においては男性が女性の倍もいることです。日本人男性の「人生への満足度が低い人」は、OECD,アメリカ、ドイツのいずれと比べてもとびぬけて高い数値でした。

興味深かったのでもう少し他の国のデータも調べてみました。2021年の男女別データです。

日本は男性で満足度が低い方から数えて4番目です。女性は9番目となっています。最も満足度が低い国は、男女とも1位がトルコ、2位がコロンビアでした。

話はがらりと変わって一人あたり二酸化炭素の排出量です。このダッシュボードでは、COVID-19からの復興を環境的にも満足する者でなければならないとしているので、この数値が提示されています。2007年から2020年までのOECD平均、アメリカ、ドイツのデータと2019年以降におけるOECD各国の数値を並べて示します。

左の図は2007年から2020年までの推移です、この図によれば、日本もOECD平均やドイツと同じような歩調で二酸化炭素排出量の削減を進めているということがわかります。また右の2019年以降の数値においては、日本のひとりあたり二酸化炭素排出量はOECD平均よりもやや低いというのがわかります。

しかし、この数値だけを見て安心するのはまだ早いと言わざるを得ません。次の再生可能エネルギー割合(一次エネルギーに占める割合)」の2007年から2020年までの推移を見ていただきたいと思います。

一次エネルギーに占める再生可能エネルギーの割合は、どう見てもかなり低いと言わざるを得ません。もう少しOWCD中での日本の順位を明確にするため、2020年におけるOECD各国の一次エネルギーに占める再生可能エネルギーの割合を見てみましょう。

日本の再生可能エネルギー割合は6.77%と韓国、イスラエルについで下から3番目です。発電に占める再生可能エネルギー割合は日本でも20%程度はありますが、一次エネルギーの中ではまだまだ低いということが明白です。

以上COVID-19からの復興の状況を各国と比較しながら見てきました。まとめると「①日本は他国に比べ大きな経済的な落ち込みこそないものの、GDP成長率は低く推移している。②政府への信頼もあまり高くなく、人生の満足度も特に男性が低い。③再生可能エネルギーへの転換も低い数値に留まっている」ということになるのでしょうか?

現状を嘆いてもしかたありません。現実を直視し、直面する課題に取り組む以外にはありません。特にカーボンニュートラルについては、もっとダイナミックな政策が必要であると感じています。

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