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かんとこうブログ

2023.01.27

今年の1月の気温と電力需給状況

ふと気が付くともう2月は目前です。確かこの冬に入る前に電力供給の不安についてさかんにメディアで紹介されていたような気がしますが、今年に入ってそうした話を全くと言っていいほど聞きません。今年の冬の電力需給状況はどうなっているのでしょうか?1月の気温と併せて調べたことをご紹介します。電力需給状況は東京電力のでんき予報サイト(下記URL)、気温のデータは気象庁の過去の気象データ検索から東京都の大手町のデータを引用しています。

https://www.tepco.co.jp/forecast/index-j.html 

  

最初に今年1月の一日ごとの平均気温のデータを過去3年と比較して示します。

このところの寒波で今年の1月は随分と寒いような印象を受けますが、一日ごとの平均気温を4年分比べてみると、10年に一度の寒波襲来と言われた25日前後はともかくとして、それ以外の日は他の年に比べて低いとは言えない状況でした。さらに毎日の平均気温の平均(上右図)で見ると今年はむしろやや高めであるように思われます。たった1地点のデータで決めつけてよいかという議論はあるにせよ、今年が決して特別に寒いということはなさそうです。

一方で電力需給状況ですが、こちらも過去3年のデータとあわせ4年分のデータで比較したいと思います。ピーク時の使用電力と供給電力について、8月のグラフと並べて比較してみたいと思います。最初はピーク時の使用電力です。

左が1月、右が8月の毎日のピーク時の消費電力です。左の図でみると2023年のピーク時電力使用量はむしろ低めです。直近で上がっているのはこのところの寒波襲来による気温の低さを反映したものと思われます。

また右の8月と比べると1月よりも8月の方がピーク時の使用電力は高そうに見えます。これについては後述します。

一方でピーク時の供給能力はどうなっていたのでしょうか?

左が1月、右が8月のピーク時の供給能力です。今年の1月のピーク時供給能力は、過去3年と比較して平均的な数値であるように思われます。直近で上がっているのは寒波襲来に備えての対応だと思われます。

右の8月のピーク時供給能力との比較では、8月のピーク時供給能力が随分と幅があり一見しただけでははっきりとはわかりませんので、1月と8月のピーク時使用電力と供給能力について各年の平均値を計算して比較してみました。

ピーク時使用電力と供給能力の各年の平均です。今年の1月について言えば、ピーク時の使用電力は過去3年より低く、供給能力は過去3年なみであるということになります。また1月と8月、つまり冬と夏で言えば、ピーク時使用電力および供給能力とも8月の方が大きな数値であるということになります。

今冬に入る前、昨夏以上に電力供給に不安があるとの呼びかけと節電要請、節電支援プランなどが提案されていました。蓋を開けて見れば、比較的暖かい気候と電気料金高騰による節約志向の高まりからか、昨夏と比較しても供給不安からは遠い状態のように思われます。

今年の冬は昨夏に比べて供給能力が不足すると言われていましたが、ピーク時の供給能力を見れば過去3年なみの供給能力が確保されており、ピーク時使用電力も過去3年を下回っています。ともあれ、これだけ連日電気料金の高騰が報道されればいやでも国民の節電意識が高まります。今年の冬の電力供給の不安がないことへの最大の貢献は、皮肉なことに電気料金の高騰かもしれません。

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