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かんとこうブログ

2023.08.09

Coatings World誌のTop Companies Report2023のTOP10会社情報

先週の木曜、金曜とCoatings World誌のTop Companies Reportの概要をお伝えしましたが、このレポートではランキング入りした会社全部に、自らが調査した内容の要約を載せています。TOP10会社の記述内容について気になった点、興味を覚えた点を書き出してみました。ランキング入りした日本の会社についてもざっと眺めてみましたが、役員情報がかなり以前のものであるケースが多く、内容もほぼ知っている内容ばかりでしたので割愛します。興味のある方は、同誌のサイトからTop Companies Reportに入り、会社名をクリックするだけで見ることができますのでご自分で確かめてください。以下今回レポートで報告されているTOP10個社情報からの抜粋です。まずは1位から5位です、下図にまとめました。

PPGに関する記述の中で興味をひかれたのは、CO2排出量の中でScope3に関する具体的な目標が出てきたことです。これは昨年までなかったと思います。Sherwin Williamsについては、今回のランキングにおいて売上を見積もる際に、会社売上からいくら減額されたかという点です。会社としての売上ではPPGを凌駕しているのに、塗料以外の塗装用具の売上分を減額されるため2位に甘んじています。買収に関してはいずれも欧州の工業用である点に興味を覚えます。

AkzoNobelについても買収情報で、同社の中核事業である建築塗料に関して中国およびアフリカのアクティビティを増強するようです。Lankwitzerは初耳でした。日本ペイントHDについては、ベトナムへの進出が大きく扱われていました。ベトナムは人口ほぼ1億人の大きな市場ですのですでに進出していると思っていました。今回の進出は主に船舶用塗料に関することようです。

RPMについては、このTOP10の中で最もなじみのない会社です。事実まだ海外での活動はさほど範囲が広くないようです。建設資材を幅広く製造しており、防水材はもちろん、接着剤、シーラントなども製造販売しているようです。

続いて6位から10位です。

Axaltaは工業用とりわけ自動車関係の塗料に重点をおいた会社ですが、今回の記事の中で目をひいたのが、2人の技術者がFellowに昇格したことを詳しく報じていたことです。日本ではあまりなじみのない制度ですが、外国では技術者あこがれの職位であり、社会的にも尊敬される名誉職とされています。技術的な受賞も二つ紹介されており、技術屋の端くれとしては、技術軽視の風潮の中好ましく感じます。BASFは、塗料ビジネスが大会社の一部門のそのまた半分程度の存在であるため非常に情報が少ないのですが、このレポートでもあまりこれはという情報がありませんでした。ただ自動車用にバイオ原料使用に関する情報がいくつかありました。コスト的にはまだまだの感がありますが、着実に実用化に向けて前進しているのはさすがBASFです。

Asian Paintはここまで驚異的なペースで成長してきました。背景にはインドの経済成長があるのですが、その成長率は他のTOP10企業をはるかに上回ります。買収情報としてナノテク技術を持った会社の買収があり、一方で既存のビジネス強化のための生産設備増強がありということで快進撃はまだまだ続くのでしょう。関西ペイントについては、Beckersからの鉄道用塗料事業の買収が書かれていました。同社の欧州の拠点であるHelios社の活動範囲は中央ヨーロッパから東欧よりでしたが、西欧についても同社に任せることになるようです。

Mascoも私にとってはなじみのない会社です。活動範囲が北米限定のようですのでなじみがないのは当然ではあります。興味深かったのは、女性の塗装施工者が全体の1割しかおらず育成のためのプログラムを提供しているということです。日本より職業選択における男女差が少ないと思える北米でも塗装業の女性は1割しかいないということは少し驚きでした。日本でも参考になりそうな情報です。

以上独断と偏見に満ちた要約でした。なにかの参考になれば幸いです。

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