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かんとこうブログ

2023.09.29

最後にもうひとつわかったこと・・生産、出荷、純出荷数量の比較

昨日のデータをまとめているうちに、生産数量と出荷数量にを比べるといつも出荷数量が多いことを思い出しました。そこで、生産数量、出荷数量、純出荷数量の3者を比較したらどうなるのかやってみました。なかなか興味深いことを発見しましたので、ご紹介します。

データは日塗工の確報(経産省生産動態統計調査)の年報、2006年から2022年までの16年間です。溶剤型塗料、水系塗料、シンナー、塗料+シンナーの5種類でデータを比較してみました。

グラフだけではよくわからないかもしれませんが、これらは右下にまとめたように3パターンに分類できます。

①のパターンである溶剤型塗料と水系塗料、すなわち液状塗料は生産数量≒出荷数量>純出荷数量の関係にあります。このことは何を意味するかは、同業者向け出荷の場合でも供給を受けたものは、それに何らかの手を加えてから客先に出荷しているということです。

②のパターンはシンナーがそれにあたります。この場合には、出荷数量>生産数量≒純出荷数量の関係にあり、同業者出荷の場合には、供給をうけたものは基本的に手を加えずそのまま出荷しているということになります。

③のパターンは無溶剤型塗料がそれにあたります。無溶剤型と言っても粉体塗料と言ってもよいというのが昨日の内容です。この場合には①と②の混在と思われます。塗料+シンナー(いわゆる塗料全体)もこのようになりますが、それは粉体塗料と同じく、①と②が混在(塗料が①、シンナーが②)するためと考えられます。

以上5日間にわたり塗料にまつわる統計について調べたことをご紹介しました。

「塗料製造業は勝ち組か?負け組か?については、旧工業統計表(現経済構造統計調査)で見れば、勝ち組であるように見えますが、この統計における塗料製造の出荷金額は、日頃重用している生産動態統計調査(速報/確報)と大きな差があるため、一概には言えない」と結論付けました。

また、生産動態統計調査(速報/確報)の16年間のデータからは、「出荷ベースでも純出荷ベースでも全体としては数量金額とも減少傾向にあり、出荷と純出荷の乖離が広がる傾向にあり、その背景として同業者向け出荷が増加している」ことが明らかになりました。宿題としては、旧工業統計表(現経済構造統計調査)の塗料製造業の生産金額に著しい差があることの理由がわかりませんでしたので、今後継続して調べていきたいと思います。

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