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かんとこうブログ

2024.02.15

堂々の増収大増益・・日本ペイントホールディングスの2023年決算

昨日、日本ペイントホールディングスが2023年度(1月-12月)の決算を発表いたしましたので、その概要をご紹介いたします。同社は、いつも短信ベースと実質ベースにわけて発表してくれています。買収などの影響を含まないものを実質ベースとして情報提供してくれており、好感がもてます。実際に2023年の成績を見るのであれば実質ベースの方がわかりやすいので、全社としては短信ベースと実質ベースの両方を、地域別や事業分野別では実質ベースでご紹介したいと思います。まずは全社から一覧表で示します。

2023年は大きな買収がありませんでしたので、短信ベースも実質ベースもさほど大きくは変わりません。4Qは少し勢いが落ちましたが、増収大幅増益と評すべき数字でした。数量も前年比プラスですので、数量*価格もプラスであり健全な前年比増です。

次に世界各地の地域別状況を実質ベースの一覧表で示します。

中国、インドネシア、Betek Boyaで4Qの営業利益の前年比増減がマイナスになっていますが、通年ではすべての地域で増収大幅増益となっており、特に問題がある地域は見当たりません。地域別の売上/営業利益の前年比(下図左)と対売上高営業利益率(下図右)に示します。

左図の前年比では日本とトルコの回復が目覚ましかったことがわかります。右図の営業利益率からはインドネシアをはじめNIPSEAの中国以外が高利益得率であったことが明白です。Duluxグループ太平洋(豪州)も高利益率を確保しています。

事業分野別売上の記載がある日本、NIPSEA中国、Duluxグループ太平洋、同欧州、米州の5地域について需要分野別の売上金額を2022年と並べて表示します。

横軸は左から日本、NIPSEA中国、Dulux太平洋、米州、Dulux欧州です。概ね需要分野ごとにみても収益は増加していますが、工業用については日本および中国で減収となり5地区合計でも減収となりました。こうしてみるとNIPSEA中国の自動車、工業の不振は少し気になる結果であることがわかります。

さて、日本ペイントホールディングスが2022年度では世界4位でした。2023年中に日本ペイントホールディングスが3位のAkzoNobelに追いつくのではないかという期待があったのですが、それはどうなったのでしょうか?

世界の1~4位について比較表を作成してみましたのでご紹介します。(日本ペイントホールディングスは短信ベースです)

日本人にわかりやすいようにすべて円換算してみました。為替レートは2023年12月31日現在です。単純に見るとこの4社は、2分されPPGとsherwin Williamsのトップ2社とAkzoNobelと日本ペイントホールディングスの第2グループ2社となっているように見えます(上図右上)

一方売上と営業利益の前年比で見ると、両者とも日本ペイントホールディングスが最も大きく勢いを感じます。2024年はこの4社はどうなるのでしょうか?日本ペイントホールディングスは2024年度の予想として、売上1兆6000億円、営業利益1680億円、営業利益率11.5%を設定しています。この数字であれば為替の動向次第で、世界3位に躍進する可能性もあるのではないかと思っています。

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