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かんとこうブログ

2024.12.10

今年の冬のボーナスは・・賃上げほどではない?

12月6日に帝国データバンクから今年の冬のボーナスに関する調査結果が発表されました。26972社に調査票を送り11396社から回答があったとされています。大企業と中小企業の比率は大企業:中小企業=15:85となっています。

新聞等は今年の支給額に関しての報道が主でしたが、できるだけ長く傾向が見たかったので遡れるだけ遡ろうと探しましたが、見つかったのは2020年まででした。わずか5年分ですが、傾向をご紹介したいと思います。

資料はすべて帝国データバンク社のもので、以下のサイトから数値を引用しました。

https://www.tdb-di.com/2021/01/sp20210106.pdf

https://www.tdb-di.com/2021/12/sp2021120701.pdf

https://www.tdb-di.com/2022/12/sp20221209.pdf

https://www.tdb-di.com/2023/12/sp20231206.pdf

https://www.tdb-di.com/2024/12/sp20241206.pdf

   

これらの資料から5年間の傾向は下図のようになりました。グループ分けとしては、賞与ありで前年から増額の場合、賞与ありで前年と同額場合、賞与ありで前年から減額の場合、賞与なしの4つのグループの推移となりますが、今年の賃上げが良かっただけに少し意外な気もする結果でした。

   

  

もう少しわかりやすくするために、賞与ありの会社の比率、賞与なしの会社の比率、賞与が増額となった会社の比率、賞与が減額となった会社比率の推移を示します。

前年比に限って言えば、賞与ありの会社の比率は微増、賞与なしの会社の比率も微増でした。賞与が増額となった会社の比率は微減、賞与が減額となった会社の比率は微増であり、前年比としてはあまり芳しくない結果になります。但し5年間の傾向で言えば、賞与ありの会社の比率は2022年を底に上昇中、賞与なしの会社の比率は振れ幅はあるが大まかには減少中、、賞与が増額となった会社の比率は2020年以降増加傾向、賞与が減額となった会社の比率は減少傾向となり、コロナ禍の初年である2020年からは良い方向に向かっていると思われます。

この帝国データバンクのデータでは、大分類の業種別のデータもあり、前年より増額となった会社の割合が示されていました。大分類9業種の前年増となった会社の割合の推移を下図に示します。

図中の数字は2024年の前年比増額の会社の割合です。大まかに見れば小売を除き増額会社の比率は増加傾向と言えると思います。ただ業種によっても差があることは事実です。前年比増額となった会社の全体の平均は23.0%でしたのでそれよりも上の数字の業種は平均より増額の会社が多かったことになります。平均以上は建設、製造、運輸倉庫の3業種でした。

10月の日銀短観では、中小企業のDI値は製造業がマイナスで、非製造業がプラスでした。少なくと、下図のグラフではほとんどのケースで2023年よりも2024年にの方がDI値は良くなっています。賞与と景況感とは必ずしも一致しないのかもしれません。参考までに製造業全体と非製造業の日銀短観のDI値を下図に示します。

今年は賃上げも久しぶりの大幅上昇であり、直近の日銀短観のDI値も決して悪くありません。ですが、冬季賞与に関しては必ずしも大幅上昇とはいかなかったように思います。皆さんはどう考えられますか?

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