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かんとこうブログ

2025.10.24

業況観測アンケート9月の調査結果・・6月以来の数量前年同月超え

昨日日塗工から、業況観測アンケート9月分の結果を受領しました。すでに組合員には送付しておりますが、例月の補足データをご紹介します。

9月は6月以来3か月ぶりに全体数量の前年比が100を超えました。金額も前年比104.4と高い水準でした。一方で8月の確報が先週発表されていますが、やや業況観測アンケートとは差がありました。業況観測アンケートと経産省確報の比較を下図でご覧ください。経産省は8月が、業況観測アンケートは9月が最新です。

増減の傾向は一致していますが、全体に経産省確報の方が数値が低いようです。

業況観測アンケートでは需要分野別の出荷金額の前年比が発表されていますが、これは経産省確報では得られない情報です。しかしながら、数値としては出荷金額の前年同月比%しかないため、数量、金額の具体的な数字がわかりませんので、例えば5年前と比べて増えているのか減っているのかがわかりません。このため、2018年の各月を100として毎年同じ月の前年比を累積してきています。理論上はこれで2018年の同じ月との対比ができることになります。

毎回、その月を含む直近4カ月のグラフを示しています。6月~9月の中では8月が少し特異的な様相を示していますが、あとはおおよそ同じような経過辿っています。すなわち、「出荷金額としては、全体的にコロナの落ち込みから脱し2018年/2019年の水準を上回る状況であるが、木工だけはコロナ前には戻っていない。」ということになります。

また8月については、2024年、2025年と全市場分野平均の累積値が2018年の水準を下回りました。このような月は他にありません。似ているという点では3月と11月も他の月に比べるとコロナ後の回復が芳しくない状況ではありますが、8月ほどではありません。8月はお盆休みがあり、稼働日数がユーザー側も含めて少ないことが特徴であり、全体の生産量、出荷量とも少なくなっていますので、特殊な月であるとも言えます。四半期単位、半年単位での見方も必要かもしれません。

さてここからは数量の話です。数量については月単位での需要分野別の数値がありません。また前年比ではなく具体的な出荷量となりますと経産省確報しかありませんので、確報のデータを使って現況を俯瞰したいと思います。これまで実需を表す最も適切な数値として「純出荷数量(同業者向け出荷量を除外した数量)」を調べてきました。月別、時系列の二つ方向から見てみたいと思います。

最初は月別の動向です。

全体的に右下がり傾向にあります。8月は特に下がり方が大きく、2018年に対し72.5%しかないという結果でした。逆に9月は各月の中で対2018年比が最も高い月であり、業況観測アンケートの数値通りであれば、100に近い数字になるのではないかと想像しています。

純出荷数量を別な切り口で書いてみました。左が月ごと推移を年単位で重ね書きをしています。右は年単位での2018年に対する比率の推移です。

実は8月の純出荷数量の88,084トンはグラフにある8年間の中で月間出荷数量としては最低でした。コロナ禍第1波の2020年5月よりも少ない量です。また年単位でみると2022年以降は、コロナ禍1年目の2020年の出荷量をずっと下回り続けています。

従って全体としても長いスパンで見ると継続的に減少が続いているということです。下図がそれを表しています。

図中の一次近似式から単純に計算すると、あと約33年後には月間出荷数量がゼロになります。

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