かんとこうブログ
2026.04.15
1バレル1ドルの通行料を考える
ホルムズ海峡封鎖に関係してイランが1バレルあたり1$以上の通行料と引き換えに通行を許可するという話がありました。この1バレルあたり1$という通行料を考えてみたいと思います。
中東から日本へ原油を運ぶタンカーは最大で30万トン(DWT)です。これはマラッカ海峡の水深が浅く、これ以上の大きい船が通過できないかです。このトン数はこうした貨物船のばあには積載可能量を表わすDWT(Dead Weight Ton)です。つまり30万トンのタンカーということは原油30万トンを運ことができるということになります。
さて1隻の原油満載タンカーの通行料を計算するには換算しなければならない単位があります。それはバレルあたりという箇所です。なんでこんな単位が今でも使用されているのかよくわかりませんが、1バレルは約159リッターです。さらに原油の量は重量ですので容積に換算する必要があります。原油も種類によって比重に差があるのですが、ここでは0.9を使用することにします。
30万トンは300,000トンですので、容積(KL)に換算するには0.9で割って333,333KLになります。これをバレルに直すには0.159で割って2,096,436バレルなります。これで計算ができるようになりました。あとはドルから円に換算すればよいので、159を掛けて333,333,333円となり、30万トンのタンカー通行するのに約3億3300万円ものお金が必要になることになります。
さてここからは、この金額が最終製品にとってどれほどのインパクトがあるかという話になります。計算を簡単にするために1$を1バレルと同じ159円とします。すると159Lで159円ですから1Lあたり1円となります。イラン情勢不安以降、ガソリンが20円30円単位で上がったりしたことを考えれば、問題にならない金額です。
ここ最近は原油価が100$/バレルを上下しています。これをリッターあたりに直せば15900円/159Lですから1Lあたり100円となります。先ほどの通行料は1L1円ですので、原油価格の1%ということになります。1%の上昇に目くじを立てる理由はありません。
原油備蓄の量を示す際に仕様されている〇日分という数字から、1日あたりの原油消費量、さらに1月あたりの原油消費量を計算すると、1月あたりの原油消費量(必要量)は、約780万KLとなります。1バレル1$という金額をこの月間必要量に掛けると、1バレル1$はおよそ1L1円ですので、78億円になります。1月78億円であれば、政府が支出している補助金のわずか1%にも満たない額ですので、非常に小さな額と言ってもよいのではないかと思います。
国際法上公海を通行する自由が担保されるので、特定の国に通行料を払うのには問題があるという議論も承知していますが、ホルムズ海峡封鎖以降ナフサ価格の上昇はすさまじいものがあり(下図)、経済的にはこの程度の通行料ならば払って通行する方が得であると思われます。何よりも溶剤が通常のように十分流通してほしいというのが願いです。
コメント
- 2026.04.15 10:38
- 中田 明夫