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かんとこうブログ

2026.05.19

タコの完全養殖・・関塗工水産部情報

時々水産資源に関する情報を関塗工水産部情報としてお送りしておりますが、今回はタコの完全養殖についてご紹介したいと思います。5月12日にテレ朝系のニュース番組で「タコの完全養殖」が紹介されていました。東海大学海洋学部水産学科の横山教授が研究されている内容です。とても面白かったのでいろいろとネット上を探したのですが、横山教授の周辺も含め、このニュース番組以上の内容を見つけることができませんでした。ニュース番組から画像を切り出して使うことも考えたのですが、さすがに著作権に対するリスペクトが足りないのでは思い、東海大学のサイトにある横山先生の研究紹介記事から写真だけお借りして、あとはテレビで放映された内容を自分で説明資料に加工してご紹介することにしました。

もしお時間があれば、テレ朝系のニュース番組の当該部分のビデオ(下記URL)を見ていただくのがおすすめです。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000504382.html

   

東海大学新聞WEB版に「世界初「マダコ陸上養殖」実用化へ」という記事が掲載されており(下記URL)本ブログの写真はそこからお借りしました。

https://www.tokainewspress.com/contents.php?i=3337

   

下図をご覧ください。タコの完全養殖とは、卵からふ化させて幼生とし、幼生が成長し着底し、着底後成長し成体とし、成体が卵を産み、その卵からふ化させて幼生とする一連のサイクルをすべて人間の管理下で行うことを意味します。自然界では数百万個の卵から成体に成長できるのは1~2匹という大変厳しい生育環境のようで、これを人工的に管理することで、安定的なタコの供給を可能にしたいというのが横山先生の考えです。

   

図中の丸数字は人工養殖における課題を示しています。海中を浮遊する幼生は、腕が伸びて海底に定着できるようになる(着底)まで、海中に浮遊しカニのゾエア幼生を好んで食べるそうですが、これを人工飼料に変更すると全く食べなくなります。理由は、人工飼料が沈んでしまうため浮遊している幼生にはうまく食べることができないからだそうです。人工飼料でないと人工養殖として採算がとれませんので、いろいろと検討したところ、水槽に適度な流れを作ることで還流がうまれ幼生が人工飼料を食べられるようになりました。

さて着底したタコが成長しタコになっていくのですが、この着底後の生育が最も難しく、現在でも鍵となる要因がつかめておらず極めて低い生存率だそうです。ここはまだ課題として残っています。

さて成体を成長させるにも課題がありました。ひとつはタコの脱走癖と排他行動です。とにかく脱走したがり、他のタコとの身体的接触を好みません。一度の多くの個体を共存させることができないと養殖には向きません。そこで上の写真にあるような棚構造のものを入れるとなんと狭いスペースに自ら収まってくれました。タコマンションです。お互いの体が触れなければ狭くても問題がなさそうです。

二つ目の課題がこれも飼料です。成体の好みはカニや二枚貝で、殻のないものは食べないと言われていました。他の研究者からのアドバイスでソーセージの皮で人工飼料をくるんだところ、タコが食べるようになったそうです。コラーゲンケーシングというのだそうです。成体の人工飼料の問題もこれで解決となりました。

まだ課題は残っていますが、完全養殖は近い感じがします。水産部としてウオッチしていきます。

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