かんとこうブログ
2026.10.23
自動車輸出の現在地・・果たして単価は元もどったか?
今年5月までの貿易統計数値は6月ご紹介していましたが、その後報告しておりませんでしたので、6月~9月までの4か月分も含め推移を報告いたします。5月までの結果では、「対米自動車輸出の単価が低い現象は、2026年に入り回復してきた」としていました。また為替影響も含め紹介しますと書いておりましたので、約束通りに為替影響も含めご紹介します。
まず、自動車輸出の台数、金額、単価につき、地域別に推移をグラフで図示します。図中の三角は1月、5月、8月を示しており、これらの月は日本の工場稼働日が少なくなるため、輸出台数が減少しますので、そのことを頭において図を眺めていただければと思います。
赤丸をつけた上から2段目の対米輸出単価ですが、トランプ関税発動以降、急落しその後回復をしてきていますが、この図をみると、9月に至ってもまだ少し回復しきれない感じです。そしてこの対米輸出の単価の急落の影響は全世界向けの数値にも現れています。(最右上段右図)
一方で、対EUおよび対アジアにはそうした影響は現れていません。


また、自動車部品についても対米輸出における単価はまだ低い状態が続いており、それが世界輸出にも影響がでているものの、こちらの方は世界輸出に占める対米輸出の割合が自動車ほどではないので、対米の推移とは異なった動きになっており、対アジアの影響も受けています。

対米輸出にフォーカスして自動車および自動車部品について、それぞれ台数/トン数と金額の散布図を描いてみました。比較にEUを載せていますが、明らかに対EUとは異なった様相であり、2025年3月までと比べると自動車および自動車部品とも2025年4月以降は回帰線の下に分布をしています。(図中の金額は百万円)

2026年1月以降は水色で表していますが、自動車と自動車部品では異なっており、自動車はほぼ回帰線周辺に分布していますが、自動車部品は明らかに回帰線よりも下が多い状況です。すなわちまだ自動車部品の単価は低い状態が続いているとさきほどのトン数と単価のグラフの示す通りです。
ただし、ここまでは円ベースの話です。US$換算ではどうかという点が残りますので、それぞれ月の平均レートでUS$換算して同じグラフを描いてみました。左が自動車、右が自動車部品です。昨年と今年のレートを比較すると、今年の方が全般に円安傾向になっていますので、US$換算した方が今年の金額が低くプロットされる傾向にあります。自動車部品は今年の方がむしろ回帰線から離れた位置にプロットされています。(金額は百万$)
$換算では、自動車および自動車部品の輸出は2025年4月以前には戻っていないということになります。

塗料製造業にとって自動車(新車用)分野は非常に重要な分野であり、国内用だけでなく輸出用もかなりの部分を占めています。自動車輸出の中でも40%程度を占める対米輸出は最も重要であり、国内生産台数に影響を及ぼします。毎月の生産台数をメーカー別にご紹介しているにもそうした事情によるものです。