かんとこうブログ
2020.07.03
東京都の感染者数 100 人超えの衝撃
昨日東京都の新たな感染者が107名と発表されました。一日の新たな感染者が100名を超えるのは、連休中の5月2日以来2か月振りのことであり、心配されていた第一波と同じような感染拡大が一挙に現実味を帯びてきました。まさに「100人越えの衝撃」でした。
つい一週間ほど前に、「東京都の感染者数・・・心配なところとそうでもないところ」というブログを書いたばかりだったのですが、その時には感染者数の増加の要因としてはPCR検査数の増加も影響していること、そしてPCR陽性率は際立った増加をしていないことを書きました。つまり心配ではあるけれど、そうでもないところもあるということを書いたのですが、一週間経ってもっと心配だと強調すべきだったと反省するような事態になってしまいました。そこでもう一度、PCR検査について陽性者数、検査数、陽性率の関係について最近のデータで見直してみました。
東京都の感染者情報センターのデータを使って5月1日から今日の時点で最新の7月1日までのデータを使って作図してみました。
この1週間で陽性者数、陽性率は随分高くなっています。東京都が発表するグラフは7日間の移動平均をプロットしているので変化が穏やかになっていますが、こうした実数値の方が変化がはっきりと現れます。
左側の二つのグラフを眺めても、検査数と陽性者数、陽性率と陽性者数のどちらも関係がありそうにも見えます。そこで散布図をとってみました。散布図でも両者とも関係がありそうに見えますが、それとともに赤く着色した点が他のデータから随分と離れた点にあることもわかります。これらの赤い点はすべて10日以内の日付でした。
相関係数も計算してみました。PCR検査数が安定して1000件/日を超えるようになった5月11日から7月1日までの数値で計算してみました。結果は検査数と陽性者数が0.6715、陽性率と陽性者数が0.7544でした。
以上からまとめると
1. 最近の10日間ほどの中には、これまでより明らかに高い陽性率の数値が頻出している。
2. 最近の感染者数の増加は、PCR検査数の増加よりも陽性率の増加の寄与が大きい。
夜の街関連の感染者が取りざたされていますが、感染経路不明者も増加しており、ここで検証したように陽性率も増加しています。夜の街以外でも市中感染が拡大していることは間違いがなく、感染防止と経済活動を両立させるためには、よほど徹底した感染防止のための行動が必要だと思われます。