かんとこうブログ
2020.09.09
消費動向調査 8 月の結果
今日は8月31日に発表された内閣府が実施した消費動向調査の結果をご紹介します。この調査は毎月実施しているもので約8400世帯を調査対象としています。この7月分は8月5日にご紹介しています。
調査項目は、5つの質問( a)暮らし向き、b)収入の増え方、c)雇用環境、d)耐久消費財の買い時判断、e)資産価値)に対し、①良くなる、②やや良くなる、③変わらない、④やや悪くなる、⑤悪くなると言った5つの選択肢から回答するものです。それでは早速2020年の1月-8月までの推移を見てみましょう。
せっかく5月以降▲が消え、消費者態度指数が上向きになっていたにもかかわらず、8月はまた▲が増えてしまいました。やはり、新型コロナウイルスの感染拡大が、消費者心理に影響を及ぼしたものと思われます。
しかしながら、減少傾向に転じたその指数減少幅は0.1-0.5と小さく3月や4月のような大幅後退ではありません。束の間の小休止という感じがあてはまるものと思われます。
一方で、指数の数値は依然として低水準であり、8月の消費者態度指数29.3というのは、平均的にはみんなが「やや悪くなる」と思っているという状態よりさらに低いという数値です。この表の数値は、先ほどの選択肢毎に決められた点数と回答率をかけたものの合計です。「良くなる」は1.0、「やや良くなる」は0.75、「変わらない」は0.5、「やや悪くなる」は0.25、「悪くなる」は0を、回答率にかけたものです。
それよりも、過去からのそれぞれの数値の推移を見てもらえれば、現在の状況はより明確に理解されます。8月はV字回復の途中で小休止ということがよくわかる図となっています。
これは消費者態度指数というのは、先ほどの5つの質問の回答を平均した数値です。この図で青く着色されている期間は経済停滞時期とされています。現在もまちがいなく経済停滞時期ですが、まだ期間が確定していないため着色はされていません。
ちょうどリーマンショックの年からの推移なのでわかりやすいと思いますが、平常時にはおおよそ40前後であるのに、2020年に入り急落し、4月は21.6まで落ちました。これはリーマン時の最低よりも6ポイントほど低い数値です。8月の数値も29.3であり、平常時の40前後から見ればまだまだ低い水準です。
この調査は8月15日ころ行われていますので、その時点では、まだ第二波の感染が拡大中という状況であり、一時的にせよまた消費者マインドが落ち込んでしまっていた可能性が高いと思われます。次回調査時には、収束傾向が見えてきているので、少し上向きの答えになるのではないかと推測しています。
この調査では、先に挙げた5項目以外に来年の物価の見通しも聞いています。
過半数の人たちが来年は今よりも物価があがると予想しています。リーマンの翌年には物価が低下するとみていた人が多かったようですが、その後一貫して物価はあがるとみている人が多く、今回のコロナ禍でもその見方は続いています。
消費動向調査の結果をみてみました。5月以降回復基調にあった消費マインドは再びマイナスに転じ消費回復は小休止の感があります。次回は再び上向きに転じる可能性が高いものと思われますので期待します。本日引用した報告書は以下からご欄になれます。