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かんとこうブログ

2020.09.07

経済産業省の製造工業生産予測調査(8,9 月分)

今日は経済産業省の製造工業生産予測調査結果をご紹介します。この調査結果については7月に一度ご紹介しています。これは、企業の今後2か月の生産計画を集計しているもので、8月30日に発表された結果には、8月分、9月分の予測が掲載されています。この調査結果はなかなかよくまとまっているので、今日もそのまま文章ともども引用させていただくことにします。まずは予測指数からご紹介します。今回は、図表も経産省の資料を引用させてもらっています。経産省の説明文とともにご覧ください。

(左の表に対する経産省の説明文)8月の生産計画については、調査結果そのままを集計すると、前月比4.0%の上昇を見込むという結果になっています。ただ、この企業の生産計画には上方バイアスが含まれています。この8月計画値に含まれるバイアスを過去の傾向に基づき補正して、8月の鉱工業生産の実績を推計試算してみると、最頻値では前月比マイナス1.7%程度の低下、90%の確率で収まる範囲はマイナス2.6%~マイナス0.7%の間、という計算結果となっています。

(若干の補足)バイアスとは、思い込み、偏りのことで、例月の生産計画は過大であることが多く、それを考慮すると「実質0.7%程度の減少の可能性が高く、マイナス2.15+/-0.55%の範囲に収まる確率は90%である」という意味です。従って実際には前月比で若干のマイナスである可能性が高いと予測しています。

(右の図に対する経産省の説明文)仮に企業の生産計画通りの前月比で生産が行われると、8月の鉱工業生産の指数値は90.1、9月の指数値は91.8となりますが、実際には(集計値を補正すると、)8月は前月比マイナス1.7%低下となり、その場合の指数値は85.1となります。仮に企業の生産計画通りに生産されても、9月の指数値91.8は、3月の指数値95.8を下回る程度の水準ですので、実際には、9月までみても、本年3月の生産水準までの回復も難しいところです。

次に各業種別の生産計画について見ていきます。

(若干の補足)上の表は、8,9月それぞれの月において、上昇に寄与する業種、下降に寄与する業種とその対前月比の数値をまとめています。輸送用機械は自動車であり、これらの業種の中でも大きな増加を見込んでいます。ただし、両月とも増加を見込んでいるのは、今の輸送機械に加えて電気・情報通信機械、鉄鋼・非鉄金属、金属製品、その他だけであり、回復への道程はゆるやかにしか登っていかないようです。

これら89月の生産計画を通してみた場合の各産業の予測指数は以下のようになります。

(上の図に対する経済産業省の説明)

8月、9月の2か月の生産計画による業種ごとの生産予測の伸び率を通してみると、上のグラフのようになります。8月は幅広い業種で上昇が見込まれますが、9月は多くの業種で上昇幅が縮小ないし低下に転ずる計画であることがわかります。

(経産省の総括)5月まで大幅低下が続いていた鉱工業生産は、6月以降、上昇に転じていますが、企業の生産計画からは、8月、9月は7月より上昇の勢いは緩やかになっていくことが想定され、生産は、今後も当面低い水準が続くものと考えられます。また、感染症の影響についても引き続き注意してみていく必要があります。

(若干の補足)89月の生産計画には7月から8月にかけての、感染拡大が影響していることは間違いないと思われます。こうした状況下では、製造工業の生産はなかなか思うようには進んでいかないことがよく理解されまる状況だと

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