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かんとこうブログ

2020.10.23

日塗工業況観測アンケート 9 月分調査結果の概要

本日、日塗工より、掲題の調査結果を受領しました。すでに組合員各位には FAX で送付しておりますが、ここでは、それらの数値をもとに、この何か月かの業況の推移をリーマンショック時と比較した結果をご紹介したいと思います。リーマン時と比較する前に、このところの全体の業況、需要分野別の業況の推移を確認しておきたいと思います。

9月分の調査結果ですが、8月は7月に比べて前年同月比(金額)で4ポイントほど改善しましたが、9月は8月に比べ前年同月比(金額)で4.5ポイント改善しました。また10月の予想は「金額はわずかに改善、数量はかなり改善の見通し」となりました。

   9月の業況 金額 90.3% 数量 91.2% (いずれも前年同月比)

   10月の予想 金額 90.9% 数量 94.9% (いずれも前年同月比)

昨年9月以降の、業種別前年同月比(金額)の一覧表を下に示します。


分野別では、8月から見て前年同月比(金額)で、自動車が15.4ポイント、電機・機械・金属が8.8ポイント、木工が3.2ポイント、船舶・構造物が1.7ポイントとそれぞれアップしましたが、建築外装のみ9.6ポイントの大幅ダウンとなりました。全体としては4.5ポイントのアップとなりました。

次にリーマンショックとの比較をみてみます。比較するための起点は、リーマンショックではリーマンブラザースが破綻した 2008 年 9 月を起点とし、今回のコロナ禍では日本に初の感染者が発生した 2020 年 1 月を起点としました。起点の前 8 か月、後 16 ヶ月の推移を追 跡していこうと考えています。コロナの場合まだ起点から 8 ケ月の時点に過ぎませんが、 傾向はつかめるのでないかと考えています。

全体的に眺めると、今回の需要動向は工業用分野において、リーマンショック時よりも落ち込みが軽微で、回復も早いように思えます。この回復の早さは特に自動車分野で顕著です。一方汎用分野では、リーマン時よりも需要低迷の度合いが大きいように思えます。汎用分野は、リーマン時には目立った需要低下を見られていませんでした。トータルするとリーマン時と比べ、需要低下の度合いはやや小さいものの、ほぼ同じような推移を辿っているように見えます。

こうしたデータを比較している理由については、今回のコロナ禍への対応に関して、リーマン時の経験を活かすことができるのではないかと考えているからです。信用経済の破綻とパンデミックでは、経済停滞の原因となった事象は全然違いますが、同じように大きな需要低下とそこからの緩やかな回復という現象は共通しているのではないかと考えるからです。当面、このリーマン時との比較を継続していきます。

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