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かんとこうブログ

2020.11.10

都道府県別塗料製造事業所数と出荷金額の推移

先週、都道府県別の塗料製造事業所数と出荷金額に関して最新年度のデータをご紹介しました。そのあと、ぞれ以前のデータをどこまで遡れるか調べていたら。実はあの時に2019年度のデータとしてご紹介したデータが2018年度のものであることがわかりました。ここでお詫びさせていただきます。過去データ(都道府県別)は結局2002年度まで遡って見れることがわかりましたので、今日はその遡って調べたデータをご紹介いたします。(出典は経済産業省⇒統計⇒工業統計調査⇒調査の結果⇒統計表一覧⇒確報⇒細分類でエクセルファイルを選択するとみることができます)

https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/kougyo/result-2.html

調査対象は、従業員4名以上の塗料製造事業所ということになります。データは都道府県別でなければさらに1999年度まで遡れますので、事業所数、従業員数、出荷金額数は1999年度のデータから示します。

実はこの都道府県別データは、2011年と2016年のデータが欠落しています。おそらくもう少し探せば全体のデータは見つかるでしょうが、今日の段階ではこの2年分のデータはないままでご紹介します。まずこれを見ると出荷金額と授業員数は、よく知られた塗料需要動向のカーブに類似していると気が付かれるかと思います。特に従業員数がよく似ています。そんな中で、事業所数は減少の一途と言っても良いような推移を示しています。全体的に事業の集約化が進んでいると言ってよいものと思われます。

ここで、出荷金額が大きすぎるのではと気づかれた方も多いと思います。同じ経産省が調査している工業統計の確報の数値は、このところ6000-7000億円の間を推移しており、それにくらべると上のグラフの数字はいかにも大きく感じます。この差については、わかりませんが、可能性としては、同業者向け出荷がダブルカウントされていること、事業所をまたがって生産される製品があるなどいろいろ考えられますが、あくまで想像の域をでません。とにかく事業所数は、この2-3年勢いが弱まったとはいえ減少の一途を辿っています。

事業所数についてもう少し詳しく、関東、愛知、関西の3地区で見てみます。

まずは関東地方からです。上段左は関東地方全体の推移です、なだらかではありますが全体に減少傾向です。都県別にみると東京はここ最近の10年でかなり減少していました。その他の県においても東京ほどではありませんが、全体になだらかな減少傾向にあります。関東で事業所数が最多の埼玉県においてもリーマン直前には71か所あったのがこの10年で54か所になりました。

もっと極端なのが関西です。関西地方での塗料製造はほぼ大阪府と兵庫県に限られますので、この両県と愛知県とを一緒に示します。

左の関西の図で、大阪府の事業所はまさに減少の一途です。2002年に84か所あったものが今や53か所になりました。約6割になったのです。ただし最後の2-3年をみると下げ止まったようにも見えます。これに比べると兵庫県と愛知県はわずかではありますが増加傾向にあります。愛知県は自動車用塗料の需要が安定的に増加していること、兵庫県は大阪での製造の代替地の役割を担っていることが考えられます。

次に出荷金額をこれらの3地区で見てみます。関東地方からです。

関東地方の出荷金額は一時期5000億円を越え全国の半分を占める状況でしたが、ここ数年は4000億円を越える程度で全国の4割強となっています。東京は事業所数の減少に合わせるような形で出荷金額も減少していますが、埼玉、栃木、神奈川、千葉は必ずしも事業所数と同様な推移ではなく、若干増加傾向を示している県もあります。数量のデータがないので、単価の上昇なのか数量の上昇なのかはわかりません。次に関西と愛知を見てみます。

関西の事業所数では、大阪が激減、兵庫が微増でした。出荷金額全体では、やや中だるみはあるものの、それほど落ち込みはありません。それは上段の右図であきらかなように大阪の減少分を兵庫が補っているからと説明できそうです。

愛知県はリーマン後の落ち込みはあるものの全体として上昇傾向にあります。この10年近くは愛知県と兵庫県が首位を争ってきました。最新の2018年度では、兵庫県に続きわずかの差で出荷金額の第2位になっています。

関東と関西さらに愛知県の出荷金額を加えると約8300億円を越えます。日本全体の8割以上がこれらの地域で製造されていることになります。「日本の塗料工業」によれば、需要分布における関東、大阪、兵庫、愛知の合計は全体の51.5%に過ぎませんので、主要な需要地に立地した工場での集約生産を行い、主要な需要に応えつつ、その他の地域に配送するというような生産スタイルが想像されます。

今日は、事業所数と従業員数、出荷金額の推移についてデータをご紹介しました。この20年を俯瞰すると、事業所数の減少傾向は明確であり、特に東京と大阪の減少が顕著であり、環境問題の難しさが想像されます。また企業経営の面から見ると、事業の集約化が確実にすすめられたと考えることができると思います。この統計も毎年公開されていますので、今後と

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