かんとこうブログ
2020.11.07
10 月はゆるやかな回復継続・・消費動向調査 結果
今日は 10 月 29日に発表された内閣府の消費動向調査(10月の分)の結果をご紹介します。この調査は毎 月実施しているもので約 8400 世帯を調査対象としています。この 9 月分は10 月 5 日に このブログでご紹介しました。 調査項目は、5 つの質問( a)暮らし向き、b)収入の増え方、c)雇用環境、d)耐久消 費財の買い時判断、e)資産価値)に対し、①良くなる、②やや良くなる、③変わらない、 ④やや悪くなる、⑤悪くなると言った5つの選択肢から回答するものです。それでは早速 2020 年の 4 月~10 月までの推移を見てみましょう。
10月は9月の反転上昇に続きわずかに改善が続きました。意識指標も資産価値を除き9月を上回りました。 ただし、回復の速度は緩やかであり、10 月の消費者態度指数 33.6というのは、 まだ決して高いとは言えません。前回もご紹介したように、過去 13 年ほどの消費者態度指数の推移をみても、消費者態度指数が35を下回ったのは、リーマンショック時の 2008~2009 年、東日本大震災の 2011年しかありません。せめて40できれば45あたりになると消費マインドの改善といえるのではと思います。
この消費動向調査は、冒頭述べたように( a)暮らし向き、b)収入の増え方、c)雇用環 境、d)耐久消費財の買い時判断、e)資産価値)の 5 項目について調査しており、それぞ れの指数もグラフ化されていますので、以下に 5 項目の推移についてお見せします。
少し線が込み入って見づらくなっていますが、基本的には上のグラフと同じ傾向です。今回 のコロナ禍においては、ほかの項目と比べ「雇用環境」の指数が際立って低いようです。ひところより回復したとは言え、他の項目よりも際立って低いままです。やはり飲食業や航空など甚大な影響をうけた産業の雇用情勢が悪化していると思われます。
先日麻生財務大臣が、「10万円の特別給付金が、消費ではなく貯蓄に回されていて、経済回復に貢献していない」という趣旨の話をしていたようですが、そうした背景には、雇用環境の悪化を始めとした将来への不安があるのではないかと思われます。
今回の報告書も、来年の物価についての調査結果も報告されていますが、前回とほぼ同じで、過半数の人たちが来年は物価が上昇するとみているという結果でした。
この報告書は以下のサイトからご覧になれます。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/honbun.pdf