かんとこうブログ
2021.03.08
消費動向調査2月の結果・・3か月ぶりに回復基調へ復帰
結果をご紹介する前に苦言をひとつ。2月は28日までしかなかったせいか、2月の結果発表は3月4日でした。調査日からの期間を考えると仕方ないのでしょうが、少しくらい工夫があってもよいのではないでしょうか。基本は毎月同じ日に発表すべきだと思っています。
この調査は毎 月実施しているもので約 8400 世帯を調査対象としています。先月分は2月12日に このブログでご紹介しました。 調査項目は、5 つの質問( a)暮らし向き、b)収入の増え方、c)雇用環境、d)耐久消費財の買い時判断、e)資産価値)に対し、①良くなる、②やや良くなる、③変わらない、④やや悪くなる、⑤悪くなると言った5つの選択肢から回答するものです。指数は、それぞれの①から⑤までの回答割合%に、①1.0、②0.75、③0.50、④0.25、⑤0.0をかけて合計したものです。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/honbun.pdf
2月の結果は、2か月連続した下落がとまり、再び上昇に転じました。12月、1月で落ち込んだ消費者態度指数が昨年の10月、11月のレベルに戻ったということになります。
消費者態度指数は4.2ポイント改善されました。5つの質問の中で最も指数値の低い雇用環境についてもこの半年では最も高い数字となりました。とはいえ、平常時と比べればまだまだいすれも低い数字であることには変わりありません。消費者態度指数(5つの平均値)とそれぞれの指数値の推移をご覧ください。
2月の消費者態度指数は、リーマンショック時の最悪時よりは良好ですが、東日本大震災の最悪時とほぼ同じレベルにあります。
これまでも繰り返し、こうした経済不安の時には、雇用環境の指数値が最も低くなると述べてきました。その傾向は続いており、ここまでのコロナ禍においては、過去のリーマンショック時と比べても、雇用に対する不安を強く感じる人が多いことを示しています。
実際の雇用状況については、あまり大きな動きはありません。こちらは現時点で1月の雇用情勢のデータしかありませんが、完全失業率が12月よりも低下しています。
この図だけみれば、そう心配することはないような気にもなりますが、雇用環境への不安については、こうした完全失業率だけで表せない部分もあろうかと思います。人々の不安には必ず根拠があるはずであり、きめ細かな配慮が望まれるところです。