かんとこうブログ
2021.08.03
都道府県別のワクチン接種率に思うこと
首相官邸ホームページにはワクチン接種に関する特設サイトがあり、日々データが更新されています。この中に都道府県別のワクチン接種率というのがあり、以前一度とりあげたことがありますが、全般的に言って感染拡大地域の接種率が低い傾向にありました。その後の状況を確認しましたのでそれをご紹介します。
https://cio.go.jp/c19vaccine_dashboard
下の図は、上記サイトの表の数字をグラフ化したものです。
1回目接種率、2回目接種率とも、赤い棒で示した現在緊急事態宣言が発令されている都府県、黄色い棒で示した蔓延防止等重点措置対象道府県のワクチン進捗状況は決して早い方ではないように見えます。ただし、この接種者の内訳は、ほとんどが高齢者なので、感染拡大地域である大都市圏では高齢者が少ないためではないかということを確認しておく必要があります。下に都道府県別高齢化率のグラフを示します。2019年時点でのデータしかみつかりませんでした。
確かに高齢化率でみると感染拡大地域は高齢化率が低いことがわかります。緊急事態宣言発令地域とマンボウ対象地域の位置もワクチン接種率と同じような位置にあるように思えます。もう少し詳細にみるため、ワクチン接種率から高齢化率を差し引いた数値についてグラフ化してみました。
1回目接種率から高齢化率を差し引いた数値はほとんどがプラスであり、1回目接種者が高齢者数を上回っていることがわかります。この場合、差が大きい要因としては、高齢者以外の人の接種が進んでいると考えることもできます。2回目接種率から高齢化率を差し引いた数値は1回目接種率の時とは異なりほとんどがマイナスです。これは2回目接種者が高齢者数に及んでいないことを示しています。
いずれにせよ、上のふたつのグラフにおいては、左にあるほど、高齢者以外の方の接種が進んでいるであろうと想定されるので、緊急事態宣言発令地域の中で東京都と神奈川県、沖縄県はそれなりに高齢者以外のワクチン接種が進められているのではないかと思われます。逆に大阪府、千葉県、埼玉県では、比較的進んでいないと思われます。
ここで申し上げたかったことは、ワクチン接種は現時点で唯一の希望の星であり、その接種の進め方については、単なる全国一律ではなく、一刻も早く感染拡大を制圧できるような戦略的なものであってほしいということです。最も進んでいる山口県と最も遅れている沖縄県の差は、1回目接種率で1.55倍、2回目接種率で1.76倍になります。高齢者のほとんどが接種を終えようとしているいま、感染が拡大している地域に配分を増やすといった配慮は必要ないのでしょうか?