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かんとこうブログ

2022.01.31

ワクチンの感染抑止効果をもっと報道すべき!

先週に引き続き、首相官邸ホームページにワクチンの接種回数別の感染者数情報が掲載されていました。前回は13日から19日までの1週間でしたが、今回は110日から16日までの1週間の新規感染者数の関するデータです。結論から言えば、今回の発表データは前回の結果とほぼ同じ傾向を示しています。つまり、2回接種における感染抑止効果は、まだかなり認められると言えます。実際のデータをご覧ください。

前回同様、まずこの表からまず110日から16日までの新規陽性者の年代別、ワクチン歴別に新規陽性者(10万人あたり)を図に示します。右は表の数値そのままにワクチン歴別に新規陽性者数を表したもの、左はそれを合算してワクチン歴を合算し年代別の陽性者数として表したものです。下段の小さなグラフは前回の掲載分です。

年代別、ワクチン接種歴別傾向は、全体に感染者数が大きく増加しているもののそれぞれのグラフの下に示した前回の結果と全く変わりません。年代別にみるとワクチン歴に関わらず、20-29歳の年代が突出して多いのは同じです。他のどの年代よりも、ワクチンの有無に関係なく突出して多いことが明らかです。

左の図も同様に20代が突出して多いことを表していますが、この図を作成した目的は前回も述べたように12歳未満の感染が他の年代に比べて多いのか少ないのかを確認したかったことだったのですが、結果は同じでした。幼児(12歳未満)の感染が増えているとは言え、1月中旬までの時点では他の年代に比べて決して特に多くはなく、ほぼ40代~60台並みというのが結論です。

次にワクチンによる感染抑制率を示します。

ここでも右のグラフで示した年代別の傾向は下に示した前回のグラフと変わっていません。高齢者の方が感染阻止率が高いという結果でした。これに対する考察は前回の通り、感染阻止率は単なる抗体の数だけでは決まらず、行動によっても変わりうるのでは?ということです。

それにしても感染阻止率はこの時点でも全体としては80%ほどあります。これは一般に考えられている以上に高い数字ではないでしょうか?左の図では、8月、9月時点での感染阻止率からの推移を示していますが、確かに阻止率は落ちてはいるものの、マスコミなどで伝えられる抗体数の減少ほどの激変はしていないと言えます。そもそも、日本人へのオミクロン株の感染に関して、これほどの数のワクチンの感染阻止率のデータが示されたことがあったでしょうか?もちろん、遺伝子解析がすべ行われているわけではないので、感染者すべてがオミクロン株による感染とは仮定できないにしても、大変に意味のあるデータではないでしょうか?

素人考えかもしれませんが、大事なことは抗体数の多寡ではなく、実際の感染阻止率であると思われます。こうしたワクチン接種履歴別の感染阻止率データをもっと広めるべきではないでしょうか?ワクチンによる阻止率が高いから安全対策を緩和して良いなどとは決して言いませんが、正しく恐れるためには、正しい現状認識が必要です。今朝のテレビ番組で、現在全国でECMOを使用している重症者は5名であるとの情報がありました。マスコミも行政も、流れる情報は事態の重大さを強調する方へ偏っているようにも感じます。もっとこうしたデータにも光を当てるべきだと考えます。

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